研究課題
力感知分子Mmr1(Mechanical metabolism regulator 1)はアクチン骨格、細胞接着斑に局在する。特に、接着斑においてはpaxillin、Focal Adhesion Kinaseと局在することも確認できた。また、細胞を伸展するなどして力刺激を加えると細胞質から核内にシャトルすることも見いだした。また、Mmr1をC2C12細胞に導入すると脂肪細胞への分化が促進され、筋肉細胞への分化は逆に抑制された。また、本年度に新たに単離されたMmr2も、力刺激負荷前には細胞質に存在するが、伸展などの刺激によって核内へ移行することを見いだした。また、Mmr2は核内でorphan受容体の転写活性化能を正に制御し、脂質の代謝による酸化的リン酸化を促進してATP産生を促していることがわかった。このことは、血圧上昇、頻脈、循環血液量の増大等、循環系動態の変化に伴う心臓機能の亢進を、エネルギー代謝からサポートしていることを意味している。事実、マウスの心臓で、大動脈を結紮して左心室に強い圧負荷をかけるとMmr2は速やかに核内に移行することを確認した。以上の知見から、力刺激は代謝を想像以上に直接的な経路から調節していることが明らかとなった。また、力刺激を感知する分子を複数同定したことによって、研究を発展させるための重要な端緒をつかむことができた。
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