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2011 年度 実績報告書

化石人骨変成過程の加速化試験方法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22657062
研究機関高知工科大学

研究代表者

野中 弘二  高知工科大学, 工学部, 教授 (70330777)

キーワード形態 / 化石化の過程 / 加速試験
研究概要

本研究課題は発掘される化石骨格、特に「歪んで出土した先史人類の頭蓋骨」の完全復元モデルを得るために、主要手段である「化石変成プロセスを新しい工学的手法で再現する」ことを目的とする。具体的には、数十万年の時を経て埋没地層内で博物資源が圧縮変形していく長期過程を、物理的根拠に基づく活性化パラメータの変更により加速して短い時間で再現する<加速試験>が可能なことを実験的に確認する。その試験の知見に基づき、破片の再配置だけでは精密復元困難な変形した化石資料を、変成前の形状をデータ上で修正して、完全体にするための修正パラメータの提供が最終目的である。
1.埋没中の変成過程に影響を与える環境パラメータとしては、圧力と温度が大きい。そこで一定の圧力を一定時間かけ資料を埋没させた疑似地層として容器に入れ圧縮し、その前後の試料の変成率を測定した。医療用に利用されている頭蓋骨標本モデルを複数個持用い、加速試験の信頼度、加速率の関係を検証した。容器形状依存性、埋没コンパウンドの依存性を評価して実験条件や変形率の校正をおこなった。その結果、高温度で実験をおこなうことにより、変形率や加速度を制御できることを実験的に確認できた。本件に関して、人類学会大会において成果発表した。
2.化石で復元が厄介な試料は、斜めに圧力がかかって変形した頭骨であることがわかった。そこで斜め45度に配置した頭骨モデルで異なる温度、圧力環境で圧縮試験をおこなった。埋没(容器のパッケージング)した状態で実験前・後の形状情報を取得するために、硬度の高い容器で圧縮し、高精度のヘリカルCTスキャンで形状透視をおこなった。この調査により、専門家が興味が興味深いと感じる変形形態の頭蓋モデルを再現することに成功した。今後はxyz軸が混合して複雑となった形状歪み率のパラメータ依存性を割り出し、変形率、加速率を解析する。
上記2つの成果/知見を定量化し、2012年度に学術論文として成果発表する。派生的に計測技術として用いた高圧化における光ファイバセンシング法も学会等で発表する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 化石頭骨の変形過程を推察するための再現実験2011

    • 著者名/発表者名
      野中弘二、徐勲健、中川侑助(高知工科大学)、近藤修(東京大学)、石田肇(琉球大学)、赤澤威(高知工科大学), 励強華(ハルビン師範大学)
    • 学会等名
      第65回に本人類学会大会
    • 発表場所
      沖縄県立博物館・美術館
    • 年月日
      2011-11-05
  • [備考]

    • URL

      http://www.souken.kochi-tech.ac.jp/arch-eng/frontier/EB09E672-464B-4A61-95E6-FD8A0D9971E7.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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