研究概要 |
本年度は,種々の糖質加水分解酵素のクローニングを試みた.その結果β-Galactosidaseについて,完全長cDNAを取得することができた.この酵素は,835のアミノ酸残基からなり,N-末端から21残基はシグナルペプチドであると予測された.また,推定アミノ酸配列から,N-末端側にGlucosyl hydrolase family(GHF)35のドメインを,C-末端側にはガラクトース結合性レクチンドメインを有していることが明らかとなった.これに続いて発現形の構築を試みている.もう一つ,endo-β-1,4-glucanseについては,部分配列の取得にとどまったが,これがGHF9に属していることを明らかにした.今後全配列を決定すると共に,その発現形の構築を行う予定である.一方光合成特性の解析については,NADP-Malic enzyme (NADP-ME) に的を絞り,前年推定した2ヶ所の開始コドンの使い分けについて解析した.その結果,一つ目のイントロンを5'UTR領域として使用しているalternative splicingが起こっている可能性が示唆された.この点を確認するため,タンパク質レベルでのN-末端解析を実施している.
|