カイコ(Bombyx mori)由来のフェニルアラニル-tRNA合成酵素(PheRS)のアミノ酸結合ポケットに点変異を導入し、基質アミノ酸であるフェニルアラニン(Phe)に構造が類似したアナログ分子(非天然アミノ酸)を認識できるカイコPheRS変異体を作出した。それらPheRS変異体のin vitroでのアナログ分子認識能を明らかにするとともに、それらを発現させたカイコ培養細胞においてアナログ分子の一つであるCl-Pheがタンパク質生合成に取り込まれることを明らかにした。また、カイコ由来メチオニル-tRNA合成酵素(MetRS)遺伝子をクローニングしてその全長cDNA配列を解明するとともに、PheRSと同様にアミノ酸結合ポケットに点変異を導入したMetRS変異体を作出し、それらのin vitroでのアナログ分子認識能を解析した。
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