研究課題/領域番号 |
22658026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村田 幸作 京都大学, 農学研究科, 教授 (90142299)
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研究分担者 |
河井 重幸 京都大学, 農学研究科, 助教 (00303909)
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キーワード | 窒素輸送体 / 窒素固定 / 細胞表層構造 / ポーリン様構造体 / ガス生物学 / Azotobacter vinelandii / 膜タンパク質 / 酸素耐性機構 |
研究概要 |
窒素固定細菌Azotobacter vinelandiiは、大気窒素を窒素源として増殖する。しかし、窒素固定酵素であるニトロゲナーゼの研究は進展しているが、窒素の認識と輸送に関する研究はなく、窒素代謝を理解する上の障害となっている。そこで、本菌における窒素分子の細胞内輸送機構の存在の可否を検証した。まず、大気ガス及び人工大気(窒素分圧5%:酸素20%、ヘリウム75%)を窒素源としてA.vinelandiiを対数増殖期まで培養し、両細胞についてマイクロアレイ解析を行った結果、約64kbpの領域に存在する遺伝子群が、低窒素環境下で高発現していることを見出し、本領域の遺伝子群が鉄輸送に関わるシデロフォア合成系酵素をコードしていることを明らかにした。次に、A.vinelandiiを対数増殖期まで培養した後、モデル大気(窒素79%、酸素21%)と窒素非含有ガス(酸素25%、ヘリウム75%)をフラッシュし、30分後にマイクロアレイ解析を行った。その結果、窒素非含有ガス条件で高発現する3種の膜タンパク質遺伝子を特定したが、それらの遺伝子破壊株の低窒素環境下で生育は野性株と同等であり、窒素分子の輸送とは無関係であると判断した。更に、A.vinelandiiを対数増殖機まで培養し、段階的に窒素濃度を下げたガスをフラッシュして培養しマイクロアレイ解析を行った結果、窒素分圧1%(酸素21%、ヘリウム78%)機能不明の膜タンパク質をコードする遺伝子が9倍上昇していた。これら遺伝子と窒素輸送機能との関連を調べている。
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