研究課題
(1) L-イソロイシンジオキシゲナーゼを用いる4-ヒドロキシイソロイシン類縁体酵素合成法の開発これまでに、L-isoleucineの水酸化酵素としてBacillus thuringiensis 2e2由来のα-ケトグルタル酸依存性dioxygenase (IDO)を取得している。IDOの詳細な機能解析を実施した結果、L体分岐鎖アミノ酸の4位に水酸基を立体選択的に導入する反応を触媒する他に、L-methionineを酸化してL-methionine sulfoxideを生じる反応も触媒できることを明らかにした。反応産物であるL-methionine sulfoxideの光学純度を分析したところ、>99% e.e.でL-methionine-(S)-sulfoxideが生成していることが分かった。この反応におけるIDOの相対活性は、高効率なL-isoleucine水酸化反応よりもさらに高く(約150%)、L-methionine-(S)-sulfoxideの新規生産法としての利用が期待される。(2) 新規アルドラーゼ・トランスアミナーゼカップリング反応を用いる4-ヒドロキシイソロイシン類縁体酵素合成法の開発Rhizobium radiobacter DSM5172に4-ヒドロキシイソロイシン(HIL)を2-アミノ酪酸へと変換する活性を見出した。この反応に関与する酵素を特定すべくトランスアミナーゼ(IlvE)共存下にて、HILから2-アミノ酪酸を生成する活性を指標に酵素精製を行った。結果、4-ヒドロキシ-3-メチル-2-ケトペンタン酸を2-ケト酪酸とアセトアルデヒドに分解するHpaI/HpcHファミリーアルドラーゼ(HkpA)を得た。また、HkpAとIlvEのカップリング反応で2-ケト酸とアルデヒドから多様な4-ヒドロキシアミノ酸の生産に成功し、その立体特異性の解析を行った。
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