研究課題
酵素法による様々な水酸化アミノ酸の合成法を確立すべく、アミノ酸を基質とする新規ジオキシゲナーゼの探索を行った結果、Bacillus thuringiensis 2e2ジオキシゲナーゼ(IDO)以外に、Nostoc punctiforme PCC73102由来Lーロイシンジオキシゲナーゼ(LdoA)、Burkholderia ambifaria AMMD由来N-スクシニル-L-ロイシンジオキシゲナーゼ2種(SadA、SadB)を見いだした。今期は、これらの新規酵素の機能解析に取り組んだ。IDOはL-イソロイシンの他に、L-ノルバリン、レノルロイシン、L-ロイシン等の疎水性の脂肪族L体アミノ酸の4位炭素に立体選択的に水酸基を導入し、(S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシン、(S)-4-ヒドロキシ-L-ノルバリン、4-ヒドロキシ-L-ノルロイシン、4-ヒドロキシ-L-ロイシンなどを生成できる事を明らかにした。また、IDOはL-methionlPe等の含硫L-アミノ酸を酸化してL-methionine sulfoxideを生じる別種の反応も触媒できることを発見した。この反応においては、99%以上の光学純度でL-methionine-(S)-sulfoxideが生成していることが分かった。LdoAはL-ロイシンとL-ノルロイシンの5位炭素に立体選択的に水酸基を導入し、それぞれ(4S)-5-ヒドロキシ-L-ロイシン、5-ヒドロキシ-L-ノルロイシンを生成できる事を明らかにした。SadAとSadBは共に様々な種類のN置換の疎水性脂肪族L体アミノ酸類の3位炭素に立体選択的に水酸基を導入し、例えばN-スクシニル-L-ロイシンを基質に用いた際にはN-スクシニル-3-ヒドロキシ-L-ロイシンを生成できる事を明らかにした。
すべて 2011
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Applied and Environmental Microbiology
巻: Vol.77 ページ: 6926-6930
DOI:10.1128/AEM.05035-11
バイオサイエンスとインダストリー
巻: Vol.69 ページ: 384-38