研究課題
昨年度までに、分子間相互作用の速度論的解析(シミュレーション)を基に、静的な結合定数Kdではなく、結合速度定数kONと遊離速度定数kOFFを考慮に入れた方法の開発、これを基に微生物を標的としたRNAアプタマーの創製、また微生物芽胞を標的に、この方法を実行し、複数回のアプタマー選択を行った。その結果新しい方法では、9ラウンドで得られたRNA集団が芽胞に確実に結合していることが確認できた。本年度は、それら集団をクローニングし、共通配列をもとにいくつかのグループに分けることができた。それらクローンから得られた各RNAアプタマーについて結合能の確認を行った。確認の方法は、RNA集団で行った時と同様、調製したRNAを精製し、5’末端を蛍光ラベルした。その精製ラベル化RNAを芽胞標品と混ぜ、結合反応を行った後、蛍光顕微鏡で観察する方法を用いた。対象として、0ラウンド集団、すなわち、選択をまったく行っていないランダム配列RNAを用いた。この0ラウンドRNA集団では、蛍光ラベルRNAが結合した芽胞は、まったく観察されなかった。得られたクローニングによって精製したどのRNA種も芽胞への結合を観察することができた。これら新規RNAアプタマーは栄養細胞には全く結合せず、芽胞のみに結合した。異なった数種の菌の芽胞を用いて特異性を調べたところ、どのクローンも調べた限りどの菌の芽胞にも結合し、種特異性は示さなかった。芽胞共通に特異的なRNAアプタマーが得られたものと結論された。この途上、RNA蛍光ラベル法を改良し、迅速な蛍光ラベル法も開発した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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