研究課題
リソソームは、その内部pHが酸性に維持され、エンドサイトーシスやオートファジーで取り込んだ生体成分の分解に必須な細胞小器官である。リソソームには、可溶性の酸性加水分解酵素以外に、LAMP (lysosome-associated membrane protein)ファミリーやLIMP (lysosomal integral membrane protein)等のリソソーム膜貫通タンパク質が存在している。ラットナチュラルキラー細胞株RNK-16細胞のcDNAライブラリーを作製し、LAMPファミリー(LAMP1、LAMP2)およびLIMPファミリー(LIMP1、LIMP2)遺伝子をクローニングした。さらにLAMPファミリーおよびLIMPファミリーのC末側に、蛍光タンパク質としてEGFPおよびDsRedモノマーを連結した融合タンパク質を動物細胞で発現させるプラスミドベクターを構築した。これらの蛍光タンパク質融合遺伝子をbaby hamster kidney(BHK)細胞にトランスフェクションし、共焦点レーザー顕微鏡を用いて細胞内局在性を検討した。LAMP-1(EGFP)は、LIMP-1(DsRed)自身、および酸性オルガネラに蓄積する蛍光プローブLysoTrackerと共局在することが観察された。したがって、LAMP-1が酸性オルガネラに局在すること、並びにC末側の蛍光タンパク質の付加は局在性に影響を与えないことが確認された。さらに、LAMP-1(EGFP)は、LAMP-2(DsRed)およびLIMP1(DsRed)と共局在したが、LIMP2(DsRed)とは局在性が一致しなかった。同様に、LIMP2(EGFP)は、LAMP1(DsRed)、LAMP2(DsRed)、LIMP1(DsRed)とは局在性が一致しなかった。以上の結果から、LAMP1、LAMP2、およびLIMP1はいずれも同じ酸性オルガネラ上に局在するが、LIMP2とは局在性が異なることが明らかになった。
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