研究課題
本研究課題は、以下の2行程からなる。1つは、キャリアとなるリポソームの効率的な合成であり、これについては昨年度までに達成した。もう1つは、リポソームに指向性に付与する糖鎖の合成と、それによるリポソームの修飾である。本研究では、BBB通過を達成するための鍵分子としてシアリルα(2-3)ガラクトシルβ1-3ガラクトサミン、シアリルα2-3ガラクトシルβ1-3(シアリルα2-6)ガラクトサミンに着目し、本年度はその合成を行った。2種の標的化合物を効率的に合成するために、合成中間体であるシアリルα2-3ガラクトース、シアリルα2-6ガラクトサミン、ガラクトサミンの各ユニットの効率的合成法の確立が必要である。シアリルα2-3ガラクトースのユニットは、当研究室により大量かつ簡便な合成法が確立されたN-Trocシアリルガラクトースを出発物質に用いることで、鍵中間体であるシアリルα2-3ガラクトース供与体をグラム単位で合成することができた。シアリルα2-6ガラクトサミンユニットは、高い反応性を有することで知られているN-Trocシアル酸を供与体に、また後の4糖骨格構築に向けて適切に保護したガラクトサミン誘導体を受容体に用いることで効率的な合成を達成した。各々の2糖を縮合して4糖とした後、リポソームに結合するために末端アミノ基を有するリンカーを導入した。現在、得られた糖鎖修飾リポソームの物理的性質(形状、サイズ、電荷など)を測定するとともに、マウスを用いたDDSキャリアーとしての評価を進めている。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www1.gifu-u.ac.jp/~kassei1/