研究課題/領域番号 |
22658042
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀尾 文彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20165591)
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キーワード | アスコルビン酸 / ビタミンC / 腸管機能 / 炎症 / 急性期タンパク質 |
研究概要 |
(1)ODSラットのAsA欠乏による腸管上皮の組織学的変化の検出 ODSラットの回腸の組織切片を作成して、絨毛の長さ、絨毛あたりの杯細胞の数(PAS染色による検出)のAsA欠乏による変化を調べた結果、AsA欠乏により絨毛長は変化はなかったたが、絨毛あたりの杯細胞数が有意に増加した。 また、AsAはコラーゲンの翻訳後の水酸化修飾反応の補因子であり、AsA欠乏ではコラーゲン生成の異常が推定されることから、回腸の組織切片にコラーゲンを検出するアザン染色を行ってAsA欠乏の影響を検討したが、明確な変化は観察されなかった。 (2)ODSラットの肝臓における転写因子NFκBのAsA欠乏による活性化の証明 ODSラットの肝臓の核抽出液を作成して、NFκB(p65)タンパク量を測定した結果、AsA欠乏で有意に増加しており、NFκBの活性化が検出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で実証しようとしている仮説に対して、おおむねそれを支持する結果が出ている。具体的には、ODSラットのAsA欠乏による回腸の組織学的変化が初めて検出された。また、肝臓の転写因子:NFκBのAsA欠乏による活性化上昇が初めて検出された。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の研究成果を基盤にして、次年度には、腸管のエンドトキシン濃度を激減させる方法である抗生物質投与をODSラットに行って、正常ラットで見られるAsA欠乏による肝臓の炎症様変化の惹起が投与ラットでは起こらないことの証明に挑戦する。この目的達成において、どのような抗生物質を選択するかが検討を要するポイントである。
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