研究課題/領域番号 |
22658043
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤村 由紀 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (20390304)
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研究分担者 |
三浦 大典 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (40532627)
立花 宏文 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (70236545)
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キーワード | 質量分析イメージング / マトリックス / ポリフェノール / MALDI |
研究概要 |
ゲノムの物質的最終表現型である代謝物は、生理状態に最も反映した生体情報であることから、微細な生体応答解析での重要性が強く指摘されている。本研究では、食品・生体由来代謝物の超高感度局所解析を可能とする先鋭的質量分析システムを開発し、生体局所応答に基づく食品成分の新奇機能性評価法の確立を目指す。そのため、食品成分と生体内代謝物の多成分同時計測可能な新規イオン化助剤(マトリックス)を見出すとともに、これらを組合せたMALDI-MS法による超高感度-細胞計測技術および組織内空間分解可視化技術を開発し、生体局所における食品成分の高精度な機能性評価システムを確立する。質量分析における選択性と検出感度を決定づける最大の要因は対象物質のイオン化効率にある。そのため、食品成分と内因性代謝物の多成分同時計測可能な超高感度一細胞計測技術およびその検出感度を利用した組織内空間分解可視化技術を開発するためには、イオン化助剤(マトリックス)の最適化が必要不可欠であり、これを達成することで、質量分析(MALDI-TOF-MS)による新規食品機能性評価システムの構築が可能となる。このため、本年度は標品ベースでのマトリックス適合性・最適化の検討を行った。 現在、多様な食品成分の最適なイオン化効率を引き出すマトリックス情報は皆無であるが、申請者らが超高感度代謝物解析における有用性を見出した9-アミノアクリジンとともに、代表的な固体マトリックスならびに近年注目されている液体マトリックスを用いて、食品成分標品(同様に代表的生体内代謝物標品)との適合性を検証した。その結果、生体内代謝物(ATPやアセチルCoAなど)とともに数種のポリフェノール(フラボン、フラバン、フラボノールなど)を高効率にイオン化するマトリックス(β-Carboline化合物など)を見出した。
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