研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究の目的は、ハイパースペクトルカメラを用いて遺伝子組換え体の選抜システムを開発することである。本研究では、薬剤耐性マーカー遺伝子が生態系に悪影響を与える問題に着目し、植物由来である硝酸還元酵素遺伝子(NR遺伝子)の使用を提案する。NR遺伝子をマーカー遺伝子として使用した場合、野生株よりも硝酸イオン濃度が低くなると予想される。この硝酸イオン濃度差を捉えるため、ハイパースペクトルカメラを用いたカルスの硝酸イオン濃度推定システムを開発し、遺伝子組換え成功株の判別精度を評価した。解析の結果、カルスの硝酸イオン濃度を推定する検量線の推定精度は、評価用データ相関係数0. 7363となった。パーティクルガンによる遺伝子組換え体の作出を試みたが、遺伝子組換えの条件が適切ではなかったためNR遺伝子導入株を作出することはできなかった。そこで、硝酸イオン濃度の低濃度サンプル(961. 0mg/L以下)と高濃度サンプル(961. 0mg/L以上)の判別精度を評価した結果、検量線によるイオン濃度推定値を用いた判別では85. 0%、PLS-DA(Partial Least Square-Discriminant Analysis)による判別では87. 4%の精度で判別することができた。
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Proceedings CD of CIGR2011
ページ: 7
農業機械学会関西支部報
巻: 110 ページ: 48