研究課題/領域番号 |
22658082
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
森光 由樹 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (20453160)
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研究分担者 |
室山 泰之 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (70314242)
横山 真弓 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (50344388)
中村 幸子 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 特任助教 (70543289)
阿部 豪 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 特任助教 (20528252)
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キーワード | バイオロギング / 画像情報収集システム / 野生動物 / バイオテレメトリー / GPS発信器 / ツキノワグマ / ニホンジカ / 農作物被害 |
研究概要 |
野生動物の行動の研究は、これまで直接観察法が主体であった。しかし、多くの野生動物は人間を忌避し、観察が困難な場合が多い。そこで本研究では野生動物に超小型撮影装置を装着し、動物側から撮影し情報を収集することに着目した。動物側の目線で撮影された画像を解析することで動物の生態を解明する。今年度は、ツキノワグマ、ニホンジカに装着する小型カメラの開発を実施した。小型の赤外線照明内蔵のカメラを、電源とともに防水ケースに収納し、脱落機能の付いたGPS発信器首輪に取り付けた。カメラは、長時間連続録画及び静止画撮影が可能なものを選択した。超小型タイマーを取り付けて、録画時間の設定、赤外線照明のオンオフの設定を可能とした。この機能を設けることで小型、省電力が可能となった。録画媒体は、小さく軽度で記録容量が多いSDカードを採用した。カメラ、録画媒体、バッテリーを収容するケースは、耐衝撃性にすぐれたポリカーボネイト製を用いた。電源は、軽量で高容量の塩化チオニル-リチウム電池を採用し、DC/DCコンパータ(入力8-40V出力5V3A)で降圧・定電圧化してカメラに供給するように設計した。撮影時間、7日間のバッテリー重量は2kg、4日間は1kg、1日間は200gであった。開発したカメラを飼育中のニホンジカ、成獣オス・メスにそれぞれ装着し、シカの行動に影響がないか観察をした。装着したカメラ200g装置は、装着後3時間の観察では、個体への影響は認められなかった。赤外線を用いた夜間撮影では、5メートル程壌までしか映像を分析することができなかった。今後の課題として残された。今年度は、野生個体に実際に装着し、映像を解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
装着するバイオロギング・ビデオカメラの開発が概ね完成し、飼育下ニホンジカで安全性の確認、記録データの有効性が検証できた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、開発したバイオロギング-ビデオカメラを野生ツキノワグマおよびニホンジカに装着し、実際の映像記録を分析する予定である。また、映像記録時間は短いが、バッテリーを最小限にした装置をニホンザルにも装着する予定である。
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