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2010 年度 実績報告書

病原性コアラレトロウイルスの解明と制御へ向けての基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 22658094
研究機関京都大学

研究代表者

宮沢 孝幸  京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (80282705)

キーワードコアラ / 内在性レトロウイルス / 有袋類 / コアラレトロウイルス / ウイルス受容体 / レトロトランスポゾン / ゲノム / 進化
研究概要

ほ乳類のゲノムでは、遺伝子の占める割合がわずか2%程度である一方で、内在性レトロウイルスの配列が占める割合は8%から10%と非常に高い。最近の研究により、内在性レトロウイルスが、胎盤の形成や病原性ウイルスの防御に関わっていることが明らかになってきた。このことは、ほ乳類は生理学的機能の進化のためにレトロウイルスを積極的に取り込み(内在化)、利用してきたことを意味する。ところがコアラレトロウイルス(KoRV)は内在性レトロウイルスでありながら、病原性を保持しており、白血病や免疫不全などを引き起こしている。平成22年度は、KoRVを遺伝学的ならびに生物学的に主に解析した。これまでに我々はenv遺伝子の配列の違いから4つのサブタイプ(A-D)を明らかにしているが、シュードタイプウイルスを用いたLacZアッセイにより、これらのサプタイプのうちenv遺伝子として機能的であるものはサブタイプAとBのみであった。また、サブタイプAはネコ白血病ウイルスサプグループBと受容体干渉し、ともにリン酸トランスポーターの一つであるPit-1分子をウイルス受容体として使用していた。一方、サプタイプBは調べた限りどのウイルスとも受容体干渉せず、未知の分子を受容体として使用していると考えられた。また我々は、KoRV-Aの全長遺伝子のクローニングに成功し、KoRV-AのEnv蛋白に特異的な抗体を作製した。現在、クローニングしたKoRV-Aのクローンの生物活性について解析を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Isolation of koala retroviruses from koalas in Japan2011

    • 著者名/発表者名
      Miyazawa T, Shojima T, Yoshikawa R, Ohata T.
    • 雑誌名

      Journal of Veterinary Medical Science

      巻: 73 ページ: 65-70

    • 査読あり
  • [学会発表] コアラ内在性レトロウイルスの解析2010

    • 著者名/発表者名
      星野重樹、大畑拓司、庄嶋貴之、宮沢孝幸
    • 学会等名
      第58回日本ウイルス学会
    • 発表場所
      徳島市(招待講演)
    • 年月日
      2010-11-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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