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2010 年度 実績報告書

水稲根面におけるビビアナイトの生成条件解明

研究課題

研究課題/領域番号 22658102
研究機関東北大学

研究代表者

南條 正巳  東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60218071)

研究分担者 高橋 正  東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (80132009)
菅野 均志  東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (30250731)
キーワードリン / ビビアナイト / 水田 / 稲
研究概要

ビビアナイトが水稲根面に生成するための(1)土壌条件、(2)リンレベルなどの施肥条件、(3)生育段階などの栽培条件について検討した。川渡フィールドセンター4号水田(非アロフェン質黒ボク土作土,「川渡」)、栗原市鶯沢袋(グライ低地土水田作土2007年春採取「袋」)、大崎市原嶋(グライ低地土水田作土、「原嶋」)の風乾土(<5mm)500gを500mL容ガラストールビーカーに入れ、0.3gN,0.3gP_2O_5,0.3gK_2Oをそれぞれ被覆尿素(70日型)、過リン酸石灰(乳鉢粉砕)、被覆硫加(70日型)として混合し、ひとめぼれ苗をポット当たり1本移植した。各土壌についてリン無施肥区を設定した。根を風乾後、1M塩酸可溶画分のP,Fe含量等を測定し,根周辺の鉄化合物を光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡で観察した。
根の1M塩酸可溶P含量は採取時期により変化し,かつ,「川渡」の水稲根は「袋」「原嶋」の1/2以下と少なかった。根の1M塩酸可溶Fe含量も「川渡」で他より少ない傾向であった。「袋」では保存中の易分解性有機物減耗のためか初期の還元が遅れ,水稲根の同Fe含量も初期に少なかった。ビビアナイトの晶出は「原嶋」,「袋」で認められ、「川渡」では外見上認められなかった。「川渡」では活性Al含量が多くリン酸イオン濃度がビビアナイト晶出に達しない、Al,腐植の作る団粒等により還元進行が不均一である,などが考えられる。リン無施肥区において、稲の茎数が少なかったが、「原嶋」「袋」ではビビアナイトの晶出が認められた。また、生育段階に関して、大部分が若い根からなる7月初旬ではビビアナイトがほとんど認められなかったが、8月初旬になると「袋」「原嶋」では鉄プラークのほとんどない根にビビアナイトが認められた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of vivianite formed on the root of paddy rice grown in pots.2010

    • 著者名/発表者名
      Nanzyo, M., Yaginuma, H., Sasaki, K., Ito, K., Aikawa, Y., Kanno, H., Takahashi, T.
    • 雑誌名

      Soil Science and Plant Nutrition

      巻: 56 ページ: 376-381

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Topics on minerals in volcanic ash soils and paddy field soils2010

    • 著者名/発表者名
      Nanzyo, M.
    • 雑誌名

      Clay Science

      巻: 14 ページ: 247-251

  • [雑誌論文] 黒ボク土に多量に蓄積したリン酸は利用可能か2010

    • 著者名/発表者名
      南條正巳
    • 雑誌名

      ペドロジスト

      巻: 54 ページ: 45-51

  • [学会発表] 土壌特性の差異が水稲根におけるビビアナイト晶出(小ポット栽培)に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      南條正巳・菅野均志・高橋正
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会東北支部大会
    • 発表場所
      山形県山形市甲
    • 年月日
      2010-07-28
  • [図書] 文化土壌学からみたリン2010

    • 著者名/発表者名
      南條正巳
    • 総ページ数
      129-146
    • 出版者
      博友社

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公開日: 2012-07-19  

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