遺伝子発現制御システムは、特定の時期に目的の遺伝子の発現を可能にすることから、分子生物学の分野で広く利用されてきた。しかし、本システムは生物が本来持っている化学物質受容体などを利用していることから、その化学物質を自由に設定して遺伝子発現調節システムを構築することはできない。そこで我々はポリ塩化ビフェニルに対する抗体の可変領域とDNA結合ドメイン、転写活性化ドメインを組み合わせた人工転写因子「抗体転写因子」を構築し、抗体が作製できるならばどのような化合物に対しても構築可能な遺伝子発現調節システムを創製した。
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