研究概要 |
1.KAO欠損株の分離およびその乾燥耐性生理,形態学的解析 KAOホモ接合体は不稔であるため,変異種子はヘテロ接合体で維持される.実験に供する個体を分離するため,発芽後の初期生育で,ホモ接合体が分離可能であることを確認した.次に分離されたホモ接合体を用いて野生株との乾燥耐性比較を行った.幼苗段階における給水停止による乾燥ストレスでは,明らかに欠損株で高い乾燥耐性が観察された.次に,欠損株が示す乾燥耐性と関連する生理,形態学的特徴を明らかにするため,乾燥時の相対水分量(RWC)の変化を比較し,脱水回避能力に違いがあるかどうかを検討したところ,欠損株では水分の減少が緩慢になっており,脱水回避能力が高いことが乾燥耐性の1つの要因として寄与していると考えられた.これには,ABAの過剰蓄積等の原因が考えられるが,その検討は次年度に持ち越した 2.GA代謝酵素遺伝子を制御発現する形質転換イネの作出 GA代謝酵素遺伝子の1つであるOsGA2ox1のcDNAをRT-PR法により単離した.また,マルチストレス応答性プロモーターとしてABRP遺伝子プロモーターを単離し,それらを融合した遺伝子を構築した.構築した遺伝子をアグロバクテリウムを介してイネに形質転換した.をストレス応答性の異なる3種類のプロモーター制御下に発現するような融合遺伝子を構築し,イネ品種ゆきひかりに導入した.形質転換カルスより植物体を再生した植物体を得た.次年度に導入遺伝子の発現を確認し,解析に用いる
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