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2011 年度 実績報告書

B型とZ型DNAの構造変換を制御するフォトクロミックDNA結合リガンドの創製

研究課題

研究課題/領域番号 22659004
研究機関九州大学

研究代表者

佐々木 茂貴  九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (10170672)

キーワード生体関連物質 / Z-DNA / フォトクロミックリガンド / DNA高次構造
研究概要

DNAのダイナミックな高次構造変換は遺伝子発現において重要な役割を果たしていると考えられている。通常の右巻きらせんB型DNAとは異なる左巻きらせんZ型DNAも生体内での存在や役割について完全には明らかになっていない。そこで本研究では、最終的には生体内で作用する有用な分子ツールの開発を目的に、光照射によりDNAのB-Z相互変換を制御できるフォトクロミックDNA結合リガンドの創製を目指した。
昨年度にビスアリールカチオンリガンドの環化体として得られるヘリセン構造の立体異性体を単離し、表面プラズモン共鳴(SPR)で錯体形成を評価しP体はB-DNAに、M-体はZ-DNAに高い親和性を示すことを明らかにした。本年度はさらに等温滴定カロリメトリ(ITC)を用いて錯体形成の詳細を調べた。その結果、P体はB-DNAとKs=2-3x10^8M^<-1>の安定な2:1錯体を形成しB-DNAを安定化することが分がった。一方、M体はZ-DNAとKs=5.6x10^7M^<-1>の1:1錯体を形成し、やや小さいもののほぼ同程度の親和性でB-DNAとも錯体形成することが分かった。
昨年度に、ビスアリールリガンドにナフタレン環をアゾベンゼンにしたリガンドを合成し、光異性化によるB-Z相互変換機能があることを確認したが誘起能は低いものであった。そこで本年度は、アゾベンゼン基とナフタレン環を一個ずつもつモノアゾベンゼンリガンドを合成した。その結果、リガンドの添加によりB-Zが遷移が誘起され、さらに光照射にょりB-DNA、の再変換されることが分かった。
このように、平成23年度にはモノアゾベンゼン体を用いることによって光照射によりB-Z相互変換を制御できるフォトクロミックDNA結合リガンドの創製に成功した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [学会発表] B→Z遷移能を有するキラルビスアリールリガンドの開発2012

    • 著者名/発表者名
      辻厳一郎, et al
    • 学会等名
      日本薬学会第132年会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] 光応答性リガンドによるDNA2本鎖キラリティーの制御2011

    • 著者名/発表者名
      辻厳一郎, et al
    • 学会等名
      第28回日本薬学会九州支部大会
    • 発表場所
      福岡大学
    • 年月日
      2011-12-10
  • [学会発表] 光照射によりB-Z構造変換機能を制御する低分子リガンドの開発2011

    • 著者名/発表者名
      辻厳一郎, et al
    • 学会等名
      第37回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      徳島県郷土文化会館(あわぎんホール)
    • 年月日
      2011-11-08
  • [学会発表] 光照射によりB-Z構造遷移能を制御する低分子化合物の開発2011

    • 著者名/発表者名
      辻厳一郎, et al
    • 学会等名
      第5回バイオ関連化学シンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場「エポカルつくば」
    • 年月日
      2011-09-13
  • [学会発表] 光照射によりB-Z誘起能を制御する低分子化合物の開発2011

    • 著者名/発表者名
      辻厳一郎, et al
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会第6回年会
    • 発表場所
      東京工業大学大岡山キャンパス
    • 年月日
      2011-05-23
  • [備考]

    • URL

      http://bioorg.phar.kyushu-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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