研究課題
本申請研究は、アプタマーを真の次世代の抗体医薬にすべく、極めて強力な殺細胞活性を有する化合物を、非共有結合的にアプタマーに搭載した分子を創製するもので、完全な抗体機能を有する人工低核酸分子抗体の開発を目指すものである。本年度は、2本鎖DNAに搭載するビスインターカレーター天然物であるサンドラマイシンのUgi多成分反応を用いた全合成研究を行った。サンドラマイシンは、すでにその全合成が達成されているが、多段階を要するため改良が必要である。本研究では、イミンとして、3位に不斉中心を有するテトラヒドロピリジン誘導体を用い、カルボン酸とイソニトリルの間での、ジアステレオ選択的なUgi反応により、非天然型アミノ酸であるピペコリン酸を形成しながらペンタペプチドを一挙に構築した。このペンタペプチドを、それぞれアミン、カルボン酸へと変換した後に、ペプチド縮合することで、直鎖状デカデプシペプチドを合成した。N,C-両末端の保護基を除去して得られるペプチドに対して、大環状ラクタム化反応を行い、C2対称環状デプシペプチドを得た。最後に、クロモフォアーを導入してsandramycin誘導体の改良全合成を達成した。合成した各種誘導体の2本鎖DNAに対する結合能を評価し、また各種誘導体の殺細胞活性も評価した。
すべて 2010
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