研究課題
遺伝子組換え(GM)作物の混入試験や牛肉中のプリオンタンパク質の検出など、タンパク質の超高感度測定技術は、国民の食の安心・安全確保に大きく貢献している。通常、タンパク質の超高感度測定はウェスタンブロットが広く用いられているが、この方法はSDS等の強い界面活性剤で変性させたタンパク質を対象とするものであり、溶液中のネイティブなタンパク質の検出や、食品の加工等に伴う抗原性(アレルゲン性)の変化の検出などには必ずしも適さないことが知られている。本研究は、申請者が独自に開発したアレルギー試験法「EXiLE法」の超高感度測定技術に立脚し、アレルギーに重要なIgE抗体ではなく、より汎用的な抗体であるIgG抗体を用いて抗原タンパク質を定量できるよう改変し、アトグラム(10^<-18>g)オーダーの超高感度測定システムの開発を目指す。本年度は、ラットの高親和性IgE受容体(FcεRI)のIgE結合サブユニット(α鎖)と、広汎な動物種由来IgGと強固な結合性を有するProtein G(Streptococcus dysgalactiae subsp.equisimilis G148由来)とのキメラ分子を作製するため、人工遺伝子合成技術を利用して、417bpからなるキメラcDNA遺伝子を化学合成し、pIDTSMARTベクターに挿入した。また、本法により測定できるようになることが期待される、加工に伴う食品中の変性タンパク質のモデルとして、鶏卵由来オボアルブミンおよびオボムコイドを用い、加熱および酵素消化による抗原の変性および抗体との反応性の変化について解析を行なった。
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