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2011 年度 実績報告書

培養細胞とキメラ分子を用いたタンパク質のアトグラム検出システムの開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22659027
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

中村 亮介  国立医薬品食品衛生研究所, 代謝生化学部, 主任研究官 (50333357)

キーワード高感度測定 / IgE受容体 / キメラ分子 / 遺伝子組換作物 / ルシフェラーゼ
研究概要

遺伝子組換え(GM)作物の混入試験や牛肉中のプリオンタンパク質の検出など、タンパク質の超高感度測定技術は、国民の食の安心・安全確保に大きく貢献している。通常、タンパク質の超高感度測定はウェスタンブロットが広く用いられているが、この方法はSDS等の強い界面活性剤で変性させたタンパク質を対象とするものであり、溶液中のネイティブなタンパク質の検出や、食品の加工等に伴う抗原性(アレルゲン性)の変化の検出などには必ずしも適さないことが知られている。本研究は、申請者が独自に開発したアレルギー試験法「EXiLE法」の超高感度測定技術に立脚し、アレルギーに重要なIgE抗体ではなく、より汎用的な抗体であるIgG抗体を用いて抗原タンパク質を定量できるよう改変し、アトグラム(10^<-18>g)オーダーの超高感度測定システムの開発を目指す。
本年度は、昨年度までに人工遺伝子合成技術を用いて作製したキメラ遺伝子を導入し機能解析を行なう細胞である、ラットの培養マスト細胞株(RBL-2H3細胞)にヒトFcεRIと転写因子NF-AT(Nuclear Factor of Activated T-cells)依存的にルシフェラーゼを発現するレポーター遺伝子を導入した、RS-ATL8細胞について、その活性化の閾値に関する検討を行なった。すなわち、卵白に対してアレルギーを有する患者とそうでない非患者とを食物負荷試験によって分け、様々なレベルの卵白特異的IgEを持つこれら患者血清によりRS-ATL8細胞を感作したとき、活性化に要する卵白抗原濃度を調べた。その結果をROC(Reciever Operating Characteristic)曲線およびロジスティック回帰により解析し、95%陽性一致率および95%特異度の観点から、刺激前の2倍のルシフェラーゼ発現量を活性化の閾値とすることが最も妥当と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

キメラ受容体遺伝子の作製は完了しており、また、その解析系であるところのRS-ATL8細胞の応答精度は、Fisherの正確確率で2.509x10^<-6>という極めて高い信頼性を有していることが分かったため。

今後の研究の推進方策

来年度最終年度を迎えるにあたり、本キメラ受容体のRS-ATL8細胞における機能解析を行なう。計画の大きな変更はないが、導入遺伝子の発現量を確保するため、必要に応じ、様々な遺伝子導入法を検討する。具体的には、リポフェクション法の他、各種機器を用いたエレクトロポレーション法も用いる。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (17件)

  • [雑誌論文] 培養肥満細胞を用いた新規血清検査法2011

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 雑誌名

      アレルギーの臨床

      巻: 31(11) ページ: 67-70

  • [雑誌論文] 古代米(赤米・黒米)のアレルゲン発現プロテオミクス解析2011

    • 著者名/発表者名
      中村里香、中村亮介、手島玲子
    • 雑誌名

      日本食品化学学会誌

      巻: 18(3) ページ: 143-149

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 有機リン系農薬クロルピリホスおよびメタミドホスの周産期暴露が発達期免疫系に及ぼす影響について2011

    • 著者名/発表者名
      中村亮介, 木村美恵, 松岡英樹, 蜂須賀暁子, 中村里香, 中村厚, 渋谷淳, 手島玲子
    • 雑誌名

      Bull.Natl.Inst.Health Sci.

      巻: 129 ページ: 105-110

    • 査読あり
  • [学会発表] ストレス耐性遺伝子を導入した遺伝子組換えイネ種子のアレルゲン性評価2012

    • 著者名/発表者名
      中村里香, 中村亮介, 小関良弘, 手島玲子
    • 学会等名
      日本薬学会第132年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2012-03-31
  • [学会発表] 経口摂取ナノシリカ粒子のマウス免疫影響について2012

    • 著者名/発表者名
      蜂須賀暁子, 木村美恵, 中村亮介, 松岡英樹, 穐山浩, 手島玲子
    • 学会等名
      日本薬学会第132年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2012-03-31
  • [学会発表] In vitro provocation study2012

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, R.
    • 学会等名
      The 51st meeting of Society of Toxicology
    • 発表場所
      San Francisco(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-14
  • [学会発表] 培養細胞のルシフェラーゼ発現を指標とするアレルギー試験法2011

    • 著者名/発表者名
      中村亮介, 石渡亜耶乃, 川上浩, 手島玲子
    • 学会等名
      第4回食品薬学シンポジウム
    • 年月日
      20111000
  • [学会発表] 培養細胞を用いたアレルギー試験(EXiLE法)への抗アレルギー薬の影響2011

    • 著者名/発表者名
      中村亮介, 石渡亜耶乃, 川上浩, 宇理須厚雄, 手島玲子
    • 学会等名
      第61回日本アレルギー学会秋季学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-11-11
  • [学会発表] 食物アレルゲンの消化と抗原性2011

    • 著者名/発表者名
      手島玲子, 中村亮介
    • 学会等名
      第61回日本アレルギー学会秋季学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-11-10
  • [学会発表] 培養マスト細胞の活性化に基づくアレルゲン交差反応性の解析2011

    • 著者名/発表者名
      石渡亜耶乃, 中村亮介, 中村厚, 酒井信夫, 安達玲子, 川上浩, 近藤康人, 宇理須厚雄, 手島玲子
    • 学会等名
      第48回全国衛生化学技術協議会年会
    • 発表場所
      長野
    • 年月日
      2011-11-10
  • [学会発表] Proteomic analysis of rice allergens in red rice and black rice2011

    • 著者名/発表者名
      中村里香, 中村亮介, 手島玲子
    • 学会等名
      3rd International Symposium on "Frontiers in Agriculture Proteome Research"
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2011-11-08
  • [学会発表] EXiLE : a novel reporter assay-based allergy test2011

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, R., Ishiwatari, A., Nakamura, R., Kawakami, H., Tsuge, I., Urisu, A., Teshima, R.
    • 学会等名
      Joint Congress of APAPAEI 2011 & 48th JSPACI
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2011-10-29
  • [学会発表] T細胞サブポピュレーション変化を指標とした有機リン系農薬の発達期免疫影響解析2011

    • 著者名/発表者名
      中村亮介, 木村美恵, 松岡英樹, 蜂須賀暁子, 中村里香, 中村厚, 渋谷淳, 手島玲子
    • 学会等名
      第84回日本生化学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011-09-24
  • [学会発表] プロテオミクスを用いたコメアレルゲンタンパク質アイソフォームの解析2011

    • 著者名/発表者名
      中村里香, 佐藤里絵, 中村亮介, 手島玲子
    • 学会等名
      第84回日本生化学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011-09-24
  • [学会発表] プロテオミクス手法を用いたArabidopsis DREB1A-組換えジャガイモのアレルゲン性試験2011

    • 著者名/発表者名
      中村里香, 佐藤里絵, 中村亮介, 島崎高嘉, 春日美江, 篠崎和子, 菊池彰, 渡邊和男, 手島玲子
    • 学会等名
      第18回日本免疫毒性学会学術大会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2011-09-09
  • [学会発表] 培養細胞を用いた加熱卵白のアレルゲン性の解析2011

    • 著者名/発表者名
      石渡亜耶乃, 中村亮介, 樋口雅一, 内田好海, 中村里香, 川上浩, 宇理須厚雄, 手島玲子
    • 学会等名
      第18回日本免疫毒性学会学術大会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2011-09-09
  • [学会発表] 子どもと免疫:小児食物アレルギー試験の観点から2011

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 学会等名
      第18回日本免疫毒性学会学術大会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2011-09-08
  • [学会発表] マクロファージLPS耐性変異株におけるIL-1β産生異常の機構2011

    • 著者名/発表者名
      天野富美夫, 藤森功, 大西瑛子, 南徳子, 中村亮介, 手島玲子
    • 学会等名
      第12回Pharmaco-Hematologyシンポジウム
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2011-06-18
  • [学会発表] 甲殻類アレルギー患者における甲殻類および昆虫由来トロポミオシンの交差反応性に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      石渡亜耶乃, 中村亮介, 中村厚, 酒井信夫, 安達玲子, 川上浩, 手島玲子
    • 学会等名
      日本食品化学学会第17回総会・学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-05-20
  • [学会発表] 赤米・黒米におけるアレルゲンタンパク質発現量の解析2011

    • 著者名/発表者名
      中村里香, 中村亮介, 手島玲子
    • 学会等名
      日本食品化学学会第17回総会・学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-05-20

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公開日: 2013-06-26  

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