• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

培養細胞とキメラ分子を用いたタンパク質のアトグラム検出システムの開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22659027
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

中村 亮介  国立医薬品食品衛生研究所, 代謝生化学部, 主任研究官 (50333357)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード高感度測定 / IgE受容体 / ルシフェラーゼ / EXiLE法
研究概要

最終年度である本年度は、申請者の開発した、培養細胞とルシフェラーゼアッセイを用いるアレルゲンの微量検出技術(IgE crosslinking-induced luciferase expression;EXiLE法)を、タンパク質のアトグラムレベルの検出技術として転用・改良し、実際に多数の患者が発生している原因抗原の微量検出を行なうことで、本システムの評価を行なうことを目的とした。すなわち、加水分解小麦(HWP)を含む石鹸の使用者が経皮・経粘膜的にHWPに感作され、小麦を経口摂取した際に食物アレルギーを発症するようになったという近年関心の高まっている事件の原因抗原について解析を行なった。
本原因抗原(グルパール19S;Glp19S)を、限外ろ過により10kDa以上、3 - 10kDa、3kDa未満に分画し、これを10%のウシ胎仔血清(FCS)を含有する培地に懸濁したものを抗原溶液とした。これを申請者の開発した感作済みのRS-ATL8細胞に添加すると、未分画のGlp19Sは1x10-14g/ml(10fg/ml)、10kDa以上の画分は1x10-15g/ml(1fg/ml)の濃度でルシフェラーゼの発現が陽性になった。これらはそれぞれ、タンパク質量として500ag/50μl/wellおよび50ag/50μl/wellに相当する。3kDa未満の画分には活性は存在しなかった。
通常、食品には、検出したい抗原タンパク質の他に、大量のマトリクス成分が含まれているため、検出技術にも頑健性の高さが要求される。本研究で用いた手法は、10%のFCSという大量の非特異的成分が共存する下で行なわれていることを考慮すれば、同目的における本法の頑健性は極めて高いといえる。溶液中に存在する非変性のタンパク質性抗原をアトグラムレベルで検出する技術として、本研究成果は重要な基礎的知見を提供できたと思われる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Evaluation of allergenicity of acid-hydrolyzed wheat protein using an in vitro elicitation test2013

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, R.
    • 雑誌名

      International Archives of Allergy and Immunology

      巻: 160 ページ: 259-264

    • DOI

      10.1159/000341671

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 特集「アレルギー疾患における特異抗体の意義」. II.アレルゲン特異IgE抗体の新しい測定方法「4.EXiLE法」2013

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 雑誌名

      アレルギー・免疫

      巻: 20 ページ: 63-73

  • [雑誌論文] Evaluation of the luciferase assay-based in vitro elicitation test for serum IgE, : (2012)2012

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, R.
    • 雑誌名

      Allergology international

      巻: 61 ページ: 431-437

    • DOI

      10.2332/allergolint.11-OA-0407

    • 査読あり
  • [学会発表] EXiLE法における抗原の固相化の影響2013

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130327-20130330
  • [学会発表] EXiLE法による加水分解小麦のアレルゲン性における分子サイズの影響の解析2012

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 学会等名
      第85回日本生化学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20121214-20121216
  • [学会発表] 酸加水分解小麦含有石鹸に感作された患者血清IgE反応性の解析2012

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 学会等名
      第19回日本免疫毒性学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120915-20120916
  • [学会発表] 培養マスト細胞株を用いたアレルギー試験(EXiLE法)による 抗アレルギー活性物質のスクリーニング2012

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 学会等名
      日本食品化学学会第18回総会・学術大会
    • 発表場所
      北海道
    • 年月日
      20120621-20120622
  • [学会発表] 酸加水分解小麦含有石鹸で感作された患者IgEのin vitro活性化試験による交差反応性の評価2012

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 学会等名
      第24回日本アレルギー学会春季臨床大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20120512-20120513

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi