研究課題/領域番号 |
22659028
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山添 康 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00112699)
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研究分担者 |
吉成 浩一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (60343399)
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キーワード | CYP3A4 / CYP3A11 / コレステロール / オキシステロール / アデノウイルス / 転写調節 / 核内受容体 |
研究概要 |
ヒトの主要な薬物代謝酵素であるCYP3A4の肝発現量は、様々化学物質の曝露により増加する。この酵素は医薬品などの外来異物だけでなく、コレステロールや胆汁酸などの内因性ステロイドの代謝にも関与していることから、これらの生体内ホメオスタシスへの寄与が示唆されている。このため、CYP3A4誘導はコレステロールホメオスタシスに影響を与えるのではないかと考えた。この仮説を検証するために本研究では、(1)コレステロールによるCYP3A酵素発現調節機構、ならびに(2)CYP3A4発現誘導に伴う脂質代謝関連遺伝子の発現変動について解析を行ない、以下の成果を得た。(1)ヒト肝細胞における遺伝子発現変動解析やレポーターアッセイ、ゲルシフトアッセイ等により、ヒトCYP3A4遺伝子は、オキシステロールを内因性基質とするLXRによって転写活性化されることを明らかにした。また、LXRは、PXRを介した異物応答性のCYP3A4遺伝子の転写に対しては抑制的に作用することを明らかにした。(2)ヒト肝癌由来HepG2細胞にアデノウイスルを用いてCYP3A4を高発現させた際の、コレステロール・リポタンパク質代謝関連遺伝子の発現変動について、PCRアレイを用いて網羅的に解析した。その結果、複数の遺伝子の発現が変動する可能性を見出したが、定量的PCRによる再解析の結果、著しい発現変動を示す遺伝子は同定されなかった。現在HepG2細胞に比べてより肝細胞に近い培養細胞であるAML12を用いて、同様の解析を進めている。
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