研究課題/領域番号 |
22659046
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
若林 繁夫 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子生理部, 部長 (70158583)
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キーワード | 生体膜 / チャネル / トランスポータ / 受容体 / 細胞内シグナル伝達 |
研究概要 |
Na^+/H^+交換輸送体(NHE1アイソフォーム)の活性制御にはフォスファチジルイノシトールー2リン酸(PIP_2)結合ドメインを含む膜直下領域が重要である。昨年は、本研究課題の年目の研究により、NHE1はこの領域がdiacylglycerolやphorbol esterと直接結合することよって活性調節を受けることが示唆された。2年目からは、(1)NHE1の活性化を阻害する薬物の同定、(2)NHE1がATPによって制御される機構について、研究を進めた。 (1)NHE1の活性化を阻害する薬物の同定。これまでの研究から脂質結合ドメインにはstaurosporineやphorbol esterが結合することわかっている。これらの化学構造に基づいてインシリコバーチャルスクリーニングを行い、市販の化合物から可能性のあるものをピックアップしたのち、実際にNHE1活性化をブロックするかどうかを検証した結果、staurosporineに代表されるようなインドロカルバゾール環骨格を有する化合物のみがNHE1の活性化を阻害することが判明した。また、プロテインキナーゼC(PKC)を阻害する薬物のうちのいくつかが、NHE1の活性化を阻害しないことが判明し、活性化がPKCを介するものではないという私達のこれまでの仮説を支持した。 (2)NHE1がATPによって制御される機構。NHE1は二次性能動輸送体であり、ATP加水分解のエネルギーを必要としないが、不思議なことに細胞内ATPが無いと生理的なNHE1活性は失われる。このATP要求性はLIDが関与する可能性がある。平成23年度は、SF9細胞よりNHE1を精製し、精製NHE1がazido-[^<32>P]ATPによってATPによって阻害されるような光架橋を受けることが判明した。変異導入などの手法によってATP結合の詳細な検討と生理的意義に関する実験を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載したいくつかの研究計画のいくつかにおいて、最終年度につながる結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は挑戦的萌芽研究の最終年度であるため、研究をまとめるとともに、それ以降につながるような新たな発見をしていきたい。
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