研究課題/領域番号 |
22659052
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金井 好克 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60204533)
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研究分担者 |
永森 收志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90467572)
大垣 隆一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20467525)
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キーワード | 受容体 / チャネル / 輸送系 / シグナル情報伝達系 |
研究概要 |
1回膜貫通型タンパク質4F2hcは、細胞の活性化や腫瘍化に伴い発現の上昇する多機能性を持つが、その機能の実体は捉えられていない。4F2hcがp70 S6 kinaseを賦活化し、細胞増殖を促進することから、4F2hcが細胞外リガンドにより活性制御され細胞内結合タンパク質を介してシグナル系にリンクする膜貫通型受容体であると想定した。そこで、細胞外リガンドを明らかにすること、シグナルの全体像を捉えること、シグナルの発生機序を明らかにすることを研究の目的として研究を進行させている。第1年度である平成22年度は、リン酸化プロテオーム解析によりシグナルの全体像をとらえるため、質量分析計を用いた網羅的定量プロテオミクスを立ち上げた。この解析系を用いることで、4F2hcの活性化によってリン酸化が変動するタンパク質を網羅的に明らかにすることが可能となった。さらに4F2hcの活性化機構を明らかにするため、4F2hcを活性化する複数のモノクローナル抗体を評価した。その結果、引き起こされる活性化の程度、性質が抗体によって異なることが示された。また、リンクするシグナル経路を明らかにするため、4F2hcのN-末端の細胞内ドメインとGlutathione-S-transferase(GST)との融合タンパク質を用いたプルダウンアッセイによって、4F2hc N-末端に結合するタンパク質を同定した。そのタンパク質が細胞内において全長の4F2hcと結合することを、活性化を引き起こすモノクローナル抗体を用いて免疫沈降した場合において観察した。従って、このタンパク質が活性型4F2hcに結合するタンパク質であることが強く示唆された。この新たに同定した結合タンパク質を含め、in vivoにおける4F2hc結合タンパク質の同定を進行させている。以上の成果をもとに次年度はさらに分子同定を進め、シグナル系とのリンクを解析し、4F2hcの機能を明らかにする。
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