研究課題
4F2hcは、細胞の活性化や腫瘍化に伴い発現の上昇する多機能性の1回膜貫通型タンパク質として知られるが、機能の実体が捉えられていない。研究代表者らは、これがp70 S6 kinaseを賦活化し、細胞増殖を促進することを見いだした。本研究は、これが細胞外リガンドにより活性制御され、細胞内結合タンパク質を介してシグナル系にリンクする膜貫通型受容体であると想定し、細胞外リガンドを明らかにするとともに、リン酸化プロテオーム解析によりシグナルの全体像を捉え、細胞内結合タンパク質の同定によりシグナルの発生機序を明らかにするものである。今年度は、予備的検討の終了した4F2hcを活性化するモノクロナル抗体を用いて細胞を刺激し、4F2hcを介するシグナルの変動を網羅的定量リン酸化プロテオミクスで解析し、シグナル経路の全容をとらえることを目的とした。さらに、前年度に同定した4F2hc細胞内ドメイン結合タンパク質の詳細な解析を進め、その4F2hcの発動する細胞内シグナル機構への関与を明らかにすること、さらに4F2hcの細胞外リガンドの同定を行い、そのリガンドの細胞増殖促進効果を解析することを目指した。その結果、4F2hc結合因子の質量分析解析により、細胞外リガンド候補因子および細胞内シグナル機構への関与する可能性のある因子が見いだされた。また4F2hcと複合体を形成するアミノ酸トランスポーターLAT1の基質ロイシンによって細胞を刺激した際、およびその阻害剤で処理した際の細胞を何も処理を行っていない細胞と比較し、網羅的定量リン酸化プロテオミクスにより解析した。それにより、4F2hc・LAT1下流のリン酸化シグナルを網羅的に解析することに成功し、4F2hc・LAT1の関与するシグナルの全体像を明らかにすることができた。
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