研究課題/領域番号 |
22659059
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 拓也 京都大学, 医学研究科, 講師 (20311730)
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研究分担者 |
野村 紀通 京都大学, 医学研究科, 助教 (10314246)
万木 貴美 (小林 貴美) 京都大学, 医学研究科, 研究員 (90467473)
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キーワード | GPCR / 立体構造認識抗体 / アデノシンA2a受容体 / 結晶構造解析 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
申請者らは、酵母及び昆虫細胞を用いて膜蛋白質の高発現株をスクリーニングした結果、未発表のものを含め10種類以上の膜蛋白質について、発現・精製方法を確立した。これらの膜蛋白質を精製し、脂質二重膜中に埋め込ませたプロテオリポソームを抗原とすることで膜蛋白質の機能的構造を保持したままマウスに免疫することが可能となっている。さらにリボソームELISA陽性で変性ドットプロット陰性のクローンをスクリーニングすることで立体構造を認識する抗体を選択することが可能となった。本手法によって得られたアデノシン受容体抗体を用いて受容体/抗体複合体の結晶化を試みた結果、分解能2.7Åで構造を決定することに成功した(論文投稿中)。本抗体はアデノシン受容体の細胞内の窪んだ領域に突き刺さるような結合様式を呈している。本抗体は、不活性化型受容体固定化抗体であることが明らかとなっている(アンタゴニストは結合するがアゴニストは結合しない)。GPCRは全体構造が類似しているが、本抗体は、アデノシン受容体特異的であり、アドレナリン受容体、ムスカリン受容体、苦味受容体にはクロスしない。現在、可変領域のペプチド鎖がシグナル伝達を阻害するか否か細胞レベルで検証中である。
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