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2011 年度 実績報告書

内分泌器官としての骨組織

研究課題

研究課題/領域番号 22659065
研究機関金沢大学

研究代表者

檜井 栄一  金沢大学, 薬学系, 准教授 (70360865)

研究分担者 宝田 剛志  金沢大学, 薬学系, 助教 (30377428)
キーワード骨組織 / 骨芽細胞 / 分泌因子 / ホルモン / 骨代謝 / 糖代謝 / 内分泌 / 脂質代謝
研究概要

本研究では、我々が提唱する全く新しい概念「内分泌器官としての骨組織」を基盤として、骨組織から分泌されるホルモン様分子を網羅的にスクリーニングし、かつ同定することを目的とした。初年度に、骨細胞から分泌される因子として、growth differentiation factor 15 (GDF15)を同定した。そこで本年度はGDF15の生理学的役割を検討するために、まず最初に骨代謝に与える影響について検討した。その結果、マウスに大腿動脈結紮を施し、骨組織を虚血・低酸素状態にしたときに、骨細胞からのGDF15の分泌が著明に上昇することを見出した。さらにGDF15の中和抗体を投与することにより、大腿動脈結紮により誘導される骨密度低下が著明に抑制されることを見出した。またin vitro実験により、GDF15は骨芽細胞の機能には影響を与えないが、破骨細胞の分化・成熟化を強力に誘導することも明らかとなった。以上の結果により、虚血や低酸素等の病態生理学的条件下において骨細胞から分泌されるGDF15が、破骨細胞の分化・成熟化を調節することにより、骨代謝を制御していることが明らかとなった。さらに現在はこのGDF15について、in vivoおよびin vitroの両面から糖脂質代謝に対する機能的役割を調べており、骨組織に作用点をもつ肥満や糖尿病等のメタボリックシンドロームに対する新たな治療法開発の可能性の追求を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Positive regulation of osteoclastic differentiation by growth differentiation factor 15 upregulated in osteocytic cells under hypoxia2012

    • 著者名/発表者名
      Hinoi, E., Ochi, H., Takarada, T., Nakatani, E., Iezaki, T., Nakajima, H., Fujita, H., Takahata, Y., Hidano, S., Kobayashi, T., Takeda, S., Yoneda, Y.
    • 雑誌名

      J Bone Miner Res

      巻: 27 ページ: 938-949

    • DOI

      DOI:10.1002/jbmr.1538

    • 査読あり
  • [学会発表] 骨組織を中心とした多臓器間ネットワークによる生理機能調節機構2012

    • 著者名/発表者名
      檜井栄一
    • 学会等名
      日本薬学会第132年会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-30
  • [備考]

    • URL

      http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/~yakubutu/index.html

  • [産業財産権] 破骨細胞が関与する疾患の予防剤及び/又は治療剤2011

    • 発明者名
      檜井栄一, 他
    • 権利者名
      金沢大学
    • 産業財産権番号
      特許・特願2011-238455号
    • 出願年月日
      2011-10-31

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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