研究概要 |
がん周囲組織にあるDNA付加体10種類(すでにannotation済み)の量と分布をhigh performance liquid chromatographyとtandem mass spectrometryを使用することによって、明らかにし、腫瘍の種類、腫瘍におこる変異のパターン、生活習慣(喫煙歴、アルコール歴)などと比較を行い、病理学的意義を明らかにすることをおこなったが、とくに、環境要因の異なる地域中国と日本で発生した胃がんの非腫瘍胃粘膜22例について上記のうち下記の7種について解析を行った。 Seven lipid peroxidation related DNA adducts, 1, N6-etheno-2'-deoxyadenosine(εdA), butanone-etheno-2'-deoxycytidine (BεdC), butanone-etheno-2'-deoxy-5-methylcytidine (BεmedC), butanone-etheno-2'-deoxyadenosine (BεdA), heptanone-etheno-2'-deoxycytidine (HεdC), heptanone-etheno-2'-deoxyadenosine (HεdA), and heptanone-etheno-2'-deoxyguanosine (HεdG)これらの7種の付加体レベルは0から3万個/10^9塩基対の範囲でヒト胃粘膜に存在したが、そのprofileを判別解析することによって、日本と中国のoriginを判別することができた。 上記の課程であきらかになった6個の主として脂質代謝の結果生じた修飾塩基を含む30merのオリゴヌクレオチドを合成し、大腸菌で精製した以下の修復酵素タンパクと混和し、修復活性のある組み合わせを同定し、gene-environmental interactionの生物学的基礎を調べたところ、TDG (Thymine DNA glycosylase)の関与が推定され、その機能的解析のために、制御発現システムを作成した。
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