研究課題
挑戦的萌芽研究
実験動物ラットの肝臓の特定部位に限局される多包虫病巣を実験的に確実に作出できる実験系を確立した。この実験系は非開腹的治療法である温熱療法、光線熱力学療法のみならず、外科的肝切除による新しい治癒判定評価法の確立を可能にすると期待される。予備実験で、多包虫の粗抗原と、診断抗原として国際的な評価を得ている遺伝子組換えEm18抗原(WHOエキノコックス症非公式作業部会・部会長の研究グループ(ドイツ)、WHO臨床エキノコックス症研究協力センター(フランス)、その他の国際共同研究による)、2種類の抗原に対する実験感染後の抗体応答動態を経過観察中であり、治療実験を始める時期設定に取り組んでいる段階である。本研究を展開している時に、関連病院において外科的に肝病巣を完全切除した全症例で、周術期からrEm18に対する抗体応答の著減が確認されている。外科的切除直後からの抗体応答の著減機序はおそらく初めての観察である。本研究で確立した感染実験系は新しい治療法ならびに病態自体の新しい研究の糸口になる可能性が高い。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)
北海道農村医学会雑誌44巻
巻: 3月号 ページ: 1-7