新規低温滅菌装置を開発する目的で、窒素ガスプラズマの殺菌効率と殺菌メカニズムの検討を行った。Geobacillusstearothermoplilus、大腸菌、ブドウ球菌の生物指標を用いて滅菌保証時間を決定したところ、 30分以内の短時間で滅菌が達成できる可能性が示された。窒素ガスプラズマによる殺菌は、プラズマ発生に用いる高電圧パルスやプラズマ中に発生する紫外線により起こるのではなく、プラズマ中の窒素ラジカルによる殺菌であることが推定された。グラム陰性菌エンドトキシンの不活化能はオートクレープよりも優れており、エンドトキシンの生理活性も低下した。さらに、プラズマ照射による突然変異誘発率も低いことが明らかになった。
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