研究概要 |
宮城県コホート(県内14町村の40~64際の住民約5万人を対象に、平成2年にベースライン調査を実施した後、生存死亡・転出とがん罹患の状況を追跡している)研究データについて、統計法及び関連政省令の定めに沿って厚生労働省に人口動態死亡票の閲覧を申請して、この間の死亡者における死亡原因などを調査した。 これにより、アイゼンク性格検査票(EPQ-R)における4つの性格類型(内向性-外向性傾向、神経症傾向、非協調性傾向、社会的望ましさ)と死因別死亡リスクとの関連について、Cox比例ハザードモデルによる多変量解析を行った。 対象は、平成2年ベースライン調査回答者41,424名のうち、EPQ-Rの項目に欠損のある者、全て「はい」または「いいえ」と回答した者、代理回答者、心筋梗塞、脳卒中、がん既往者を除外した29,433名(男性14,327名、女性15,106名)とした。 EPQ-Rの4下位尺度「E尺度;外向性傾向」「N尺度;神経症傾向」「P尺度;非協調性」「L尺度;社会的望ましさ」は対象数が均等になるよう4分位で分けた。平成16年9月までの14年間の追跡調査により、1,897名の死亡を確認した。統計解析にはCox比例ハザードモデルを用い、最低スコア群を基準とした各群のハザード比を算出した。 全対象者において、最高スコア群の多変量調整ハザード比(95%信頼区間)は、E尺度;1.00(0.78-1.14)、N尺度;1.07(0.94-1.22)、P尺度;1.23(1.09-1.40)、L尺度;1.05(0.91-1.21)であった。また、P尺度が高くなるほど有意に死亡リスクが上昇した。 以上より、P尺度と全死因死亡リスクとの間に有意な正の関連のあることが分かった。
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