研究課題/領域番号 |
22659129
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
阪本 直人 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30529574)
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研究分担者 |
前野 哲博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40299227)
前野 貴美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80528480)
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キーワード | ヘルスリテラシー / 医師不足 / ヘルスコミュニケーション / 健康情報 / 意志決定 / 受療行動 / セルフケア / 健康教育 |
研究概要 |
医療崩壊が社会問題となっている今日、医療供給側の対策のみならず、受け手側の住民もセルフケアに対する正しい知識と意識を持ちヘルスリテラシー(以下HL)を高め、限られた医療資源を有効活用すべく住民参画の重要性が指摘されている。 本研究では、日本の実情に沿った簡便かつ妥当性の高いJapan Health Literacy questionnaire(以下JHLQ)を開発し、現状評価や効果的な向上プログラム開発、ならびに効果を検証する基盤を作ることで地域医療の充実に貢献することを目的としている。 今年度は、評価ツールの妥当性、再現性、利便性の検証を行う予備調査の準備を行った。そのため、我が国の特性に合わせたHLについて評価するJHLQの開発に向け、文献レビューを行い、国内外の既存のHL評価票に関する実証研究、理諭、モデル等について協同研究者で議論した。その中で、既存のHLを全体像として捉えることが可能なHL尺度(石川ひろの氏ら)も同時に測定し、解析時に外的妥当性を検証する際に活用する予定である。 調査対象とする健康問題は、急性疾患の代表として急性上気道炎、生活習慣病の代表として糖尿病、健康問題に幅広く影響を及ぼす慢性疾患の代表としてうつ病の3つの日常的健康問題を具体的に取り上げることにした。 当初3つ目は、タバコによる健康被害に関する項目を予定していたが、年齢・性別・個人の健康状態などに関わらず発症しうる病気であること、今後さらに社会問題となるなどの理由から研究者間で議論の上、うつ病へと項目変更を行った。 各健康問題に対して、HLを包括的に評価ができるよう、それぞれ入力・解釈・行動の3領域に渡って調査項目を設定した。これを年齢や性別等の統計学的情報を元に基礎的な理解、セルフケア、受療行動に関連する住民のHLの実情を明らかにしてゆく予定である。
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