研究課題/領域番号 |
22659130
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
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研究分担者 |
今野 弘規 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90450923)
清水 悠路 (財)大阪府保健医療財団大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 医師 (40569068)
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キーワード | インスリン抵抗性 / インスリン分泌能 / 動脈硬化 / 循環器疾患 / コホート研究 |
研究概要 |
インスリン抵抗性・分泌能と循環器疾患のリスクファクターおよび発症との関連を明らかにすることを目的とする。 インスリン抵抗性・分泌能と循環器疾患リスクファクターとの関連 2010年1月~2012年2月の大阪府立健康科学センター循環器ドック受診者(40~79歳)167人のうち重複を除く男64人、女51人を解析対象とした。ロジスティック回帰分析の結果、内臓脂肪面積過剰(≧100cm^2)の性・年齢調整オッズ比(OR)は、インスリン抵抗性で3.4(1.4-8.2)、分泌能低下で0.5(0.2-1.2)と、前者で内臓脂肪過剰と強い関連がみられた。一方、頸動脈硬化有所見のORは同様に1.0(0.4-2。4)、0.8(0.3-1.8)、脈波伝播速度高値(≧1400cm/s)のORは1.7(0.7-4.2)、0.7(0.3-1.7)と、いずれも有意な関連はみられなかった。 インスリン抵抗性・分泌能と循環器疾患発症との関連 2000~2001年の循環器健診を受診した40~79歳の3地域住民で、空腹採血かつ脳卒中・虚血性心疾患(CHD)非既往者の男1,658人、女2,896人を2005年末まで追跡した結果、脳卒中男25人、女27人、CHD男18人、女8人の新規発症を認めた。脳卒中発症率(/人口千人年)は、インスリン分泌能低下群、正常群の順に、男3.5、2.4(p=.34)、女2.3、1.6(p=.33)、全体2.9、1.8(p=.08)でいずれも有意差は無かったが、全体で低下群は正常群より発症率が高い傾向がみられた。一方、インスリン抵抗性あり群と正常群の発症率に有意な差は認められなかった。C}m発症率は、インスリン抵抗性あり群、正常群の順に、男1.6、2.4(p=.50)、女1,2、0.3(p=.03)、全体1.3、1.0(p=.51)と、女でインスリン抵抗性あり群は、正常群より発症率が有意に高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
循環器ドック受診者におけるインスリン抵抗性および分泌能と循環器疾患リスクファクターとの関連の研究については、対象者数は当初の予定約160人を上回ったが、重複者を除く解析対象者数は115人と、前年度からの上乗せ分は33人にとどまった。一方、地域住民におけるインスリン抵抗性および分泌能と循環器疾患発症との関連については、発症調査は順調で、その解析は予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
循環器ドック受診者におけるインスリン抵抗性および分泌能と循環器疾患リスクファクターとの関連の研究について、解析対象者が当初の見込みよりやや少ない点については、今後、2009年以前のドック受診者の検査成績も合わせた解析を行う。
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