研究課題
飼育下チンパンジーにおいて、麻酔下に血圧測定、血液検査、体格の測定をおこない、栄養状態や肥満について評価するとともに、人間における生活習慣病と同様に評価をおこなった。また、無麻酔での血圧測定訓練を続行中である。死亡した際は、脳だけでなく、死因を特定するために病理解剖をおこなった。さらに、加齢による神経行動学的変化を評価するためにチンパンジーの行動観察と夜間睡眠状態をビデオ撮影にて観察した。これまでの評価で、麻酔下ではあるが、同じ麻酔をかけた群内では、収縮期血圧と年齢の間に相関関係はみられなかった。また、少数ではあるが耐糖能異常の可能性があるチンパンジーの存在が確認された。チンパンジーの死因では、ガンによる死亡個体があった。これまでには、ガンに罹患するチンパンジーは非常に少ないとされている。ガン罹患個体は比較的高齢であったことから、チンパンジーも人間同様に加齢によりガン発生率が高まる可能性があるが、これは今後の検討課題である。また、比較対象の人間の調査として、高知県土佐町地域在住住民、原始に比較的近い生活を営んでいるインドネシア・パプア州高地住民を対象に、血圧測定、血液検査をおこない、パプアの住民においてチンパンジーと同様に血圧と年齢に相関がないことを明らかにした。両者の共通点としては、塩分摂取が少ないこと、野菜中心の食生活であることがいえる。
2: おおむね順調に進展している
血圧測定訓練が思うように進まなかった。定期健康診断は、順調におこない、麻酔下の血圧測定、血液検査をおこなった。また、死亡個体の病理組織の検索がまだおこなえていない。
健康診断を、粛々と進める。今年は、主に死亡個体の血管病理、高齢個体の脳組織変化の検索、死因特定に力を入れる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件)
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