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2011 年度 実績報告書

アミン-カルボニル反応性の新たな腎臓病のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22659164
研究機関東北大学

研究代表者

伊藤 貞嘉  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271613)

キーワードカルボニル物質 / 酸化ストレス / 慢性腎臓病
研究概要

カルボニル物質の慢性腎臓病の病態に対する関与を検証した。カルボニル物質の前駆物質であるフルクトースをラットに経口投与し、インスリン抵抗性をグルコースクランプ法を用いて検討した。その結果、高フルクトース食により、グルコースクランプ法によるM値は低下し、インスリン抵抗性の増大が示唆された。フルクトース投与によるインスリン抵抗性の増大にレニン・アンジオテンシン系の関与を検討するために、一群のラットにアンジオテンシンII受容体拮抗薬であるロサルタンを投与した所、インスリン抵抗性が改善した。このインスリン抵抗性のメカニズムを検討するために、長趾伸筋の血管密度を検証した。その結果、長趾伸筋の血管密度とインスリン抵抗性に有意な相関がみられ、フルクトースによるインスリン抵抗性の機序になると考えられた。また、この時の腎障害の程度を尿中アルブミン排泄量で評価した所、有意な減少を認めた。
次にメチルグリオキサールの腎障害への関与を検討するために、ラットの腹腔内にメチルグリオキサールを投与し、腎障害に対する影響を検討した。メチルグリオキサールの腹腔内投与により腎尿細管を中心とした障害が観察された。メチルグリオキサール代謝酵素のglyoxalasel(GLOl)を過剰発現するラットに対してメチルグリオキサールを腹腔内投与すると、カルボニル物質とともに尿細管障害の程度が減少していた。これらの結果からカルボニル物質は慢性腎臓病の病態に関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Losartan modulates muscular capillary density and reverses thiazide diuretic-exacerbated insulin resistance in fructose-fed rats2012

    • 著者名/発表者名
      Guo Q, 他
    • 雑誌名

      Hypertens Res

      巻: 35 ページ: 48-54

    • DOI

      10.1038/hr.2011.140

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Uric Acid and Patients Outcomes in a Cohort of Chronic Kidney Disease and Hypertension ; The Gonryo Study2012

    • 著者名/発表者名
      Nakayama M, 他
    • 雑誌名

      Nephrol Dial Transplant

      巻: (未定)(In Press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] AKI発症と酸化/カルボニルストレス2011

    • 著者名/発表者名
      森建文、伊藤貞嘉, 他2名
    • 雑誌名

      Modern Physician

      巻: 30(1) ページ: 30-33

  • [雑誌論文] 腎障害と尿酸2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤貞嘉
    • 雑誌名

      血圧

      巻: 18(7) ページ: 622-626

  • [雑誌論文] 腎血流、今月の特集・理解のためのチェックリスト2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤貞嘉
    • 雑誌名

      月刊循環器Circulation

      巻: 2(2) ページ: 40-49

  • [雑誌論文] Peritoneal clearance and transport of methylglyoxal2011

    • 著者名/発表者名
      Terawaki H, 他
    • 雑誌名

      Nephrol Dial Transplant

      巻: 26 ページ: 753-764

    • DOI

      10.1093/ndt/gfq698

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sitagliptin, a dipeptidyl peptidase-4 inhibitor, decreases systolic blood pressure in Japanese hypertensive patients with type 2 diabetes2011

    • 著者名/発表者名
      Ogawa S, 他
    • 雑誌名

      Tohoku J Exp Med

      巻: 223(2) ページ: 133-135

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intake of water with high levels of dissolved hydrogen (H_2) suppresses ischemia-induced cardio-renal injury in Dahl salt-sensitive rats2011

    • 著者名/発表者名
      Zhu WJ, 他
    • 雑誌名

      Nephrol Dial Transplant

      巻: 26 ページ: 2112-2118

    • DOI

      10.1093/ndt/gfq727

    • 査読あり
  • [学会発表] メチルグリオキサールによる腹膜線維化と機能低下に対するGLO-1の役割2012

    • 著者名/発表者名
      大場郁子, 他
    • 学会等名
      第41回日本心脈管作動物質学会
    • 発表場所
      秋田
    • 年月日
      2012-02-11
  • [学会発表] グルコースによる尿細管上皮細胞のミトコンドリア内酸化ストレス亢進機序2012

    • 著者名/発表者名
      芦毅, 他
    • 学会等名
      第41回日本心脈管作動物質学会
    • 発表場所
      秋田
    • 年月日
      2012-02-10
  • [学会発表] 高血圧・代謝疾患領域での臨床応用2011

    • 著者名/発表者名
      森建文
    • 学会等名
      第21回日本メイラード学会年会
    • 発表場所
      東京(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-28
  • [学会発表] 心腎連関と尿酸2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤貞嘉
    • 学会等名
      第34回日本高血圧学会
    • 発表場所
      宇都宮(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-22
  • [学会発表] リアルタイムイメージングによる腎尿細管上皮細胞のブドウ糖誘導性ミトコンドリア内酸化ストレスの検討2011

    • 著者名/発表者名
      芦毅, 他
    • 学会等名
      第34回日本高血圧学会総会
    • 発表場所
      栃木
    • 年月日
      2011-10-21
  • [学会発表] 若年肥満者における尿中カルボニル物質による血圧上昇の予測2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤恵美子, 他
    • 学会等名
      第34回日本高血圧学会総会
    • 発表場所
      栃木
    • 年月日
      2011-10-21
  • [学会発表] 糖尿病腎症におけるRAS抑制の有効性と限界2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤貞嘉
    • 学会等名
      第41回日本腎臓学会東部学術大会
    • 発表場所
      東京(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-15
  • [学会発表] 若年高血圧における尿中酸化/カルボニルストレスおよび炎症マーカーの確立2011

    • 著者名/発表者名
      森建文
    • 学会等名
      弟11回日本抗加齢医学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011-05-27
  • [図書] 糖尿病慢性合併症(大血管症);内分泌・糖尿病内科学2011

    • 著者名/発表者名
      小川晋, 他
    • 総ページ数
      213-216
    • 出版者
      森昌朋編集;シュプリンガー・ジャパン

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公開日: 2013-06-26  

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