研究課題/領域番号 |
22659225
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
中田 耕平 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50523255)
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研究分担者 |
佐藤 守男 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50154109)
河合 信行 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90405423)
生駒 顕 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (60458065)
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キーワード | 骨形成術 / IVR / 骨・軟部腫瘍学 / バイオマテリアル / 放射線 |
研究概要 |
現在、四肢の長管骨への転移性骨腫瘍による病的骨折や超高齢者の四肢長管骨の骨折に対する治療法として、整形外科的治療が確立されているが、種々の理由で手術が行われず、装具固定や薬物療法で経過観察され、疼痛コントロールが困難であったり、ADLが低下したままの患者が存在する。 本研究の目的は、生体豚を用いて長管骨骨折に対する経皮的髄内釘作成術を開発し、有用性、安全性を評価することである。 生体豚を用いて手技的な可能性、安全性を検討し、また治療モデルを作製し正常骨と強度を比較した。 左右の豚脛骨に経皮的髄内釘形成術を行った。全身麻酔下、無菌操作の透視下で、豚脛骨近位骨幹端を骨生検針で穿刺し、ガイドワイヤを用いて骨髄内へカバーステントを留置し、カテーテルを用いて骨髄内およびステント内に骨セメントを注入し、髄内釘を作成した。そして手技的成功率・所要時間、血液検査、生体豚の活動性、髄内釘の固定性について検討した。 手技は全例成功し、所要時間は1本当たり1時間以内であった。術直後、1日後、3日後ともに血液検査、活動性、髄内釘の固定性に異常は認められなかった。 また治療モデルは、摘出した豚脛骨を切断し、円柱形の骨セメント性髄内釘を骨髄内に挿入し、髄内釘周囲および骨切断部周囲を骨セメントで固定して作成した。強度は3点曲げ試験にて行い正常脛骨と比較した。曲げ強度は正常骨の0.32倍であった。 今回の実験では、生体豚長管骨において経皮的に髄内釘を作成することが可能で、短期間の経過観察中には合併症が認められないことがわかった。しかし治療モデルの強度は、正常骨の強度より低下していた。今後は骨セメントの種類や方法を変更して強度を高める実験を行う予定である。
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