研究課題/領域番号 |
22659228
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (30216072)
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研究分担者 |
塚田 一博 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (90171967)
奥村 知之 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10533523)
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キーワード | ヒト上皮細胞 / 多能性幹細胞 / 消化管組織 / 組織構築 / 線維芽細胞 / 腺組織 |
研究概要 |
ヒト正常消化管上皮の培養では21症例に対して食道上皮の培養に取り組み継代可能なヒト食道上皮細胞株を3株樹立した、またヒト胃上皮細胞の培養では50症例中33症例で、1症例で継代が可能であった。胆嚢上皮細胞では13症例中9症例で初代培養に成功してきた。その他、小腸上皮および大腸上皮の培養ではそれぞれ1症例で初代培養が可能であったが、数日でアポトーシスに陥りそれ以上の増殖は得られなかった。京大にて食道上皮TYE-1よりiPS細胞を1株作製したが、感染のために廃棄した。その後、食道上皮TYE-2および胃上皮からのiPS細胞樹立を試みたがまだ成功していない。現在、食道上皮TYE-3よりのIPS細胞樹立の準備中である。現在まで消化管上皮培養ではコラーゲンおよびマトリゲルを基質に使用しているが、正常上皮細胞の継代培養は食道上皮以外は成功しておらず、培養基質の改良が不可欠であり数種類の基質を試用中である。また培養液は種々の無血清培地を試用したが、ケラチノサイトSFM以外に適したものがまだ見つかっていない為に、今後も改良に取り組む予定である。一方、組織構築のために各種消化管の間質細胞(主に線維芽細胞)の作成に取り組み、現在まで食道線維芽細胞株2株、胃線維芽細胞株2株、胆嚢線維芽細胞1株、胆道線維芽細胞1株を樹立し、今後の組織構築に応用予定である。 組織構築についてはバイオプリンターによる数層の細胞の立体構築が可能となりつつあり、上皮細胞の培養と間質細胞の培養が軌道に乗れば多層の組織構築を試みる予定である。
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