研究課題
肝切除の適応拡大と術後肝不全の予防のための術前処置として定着してきた門脈側戦術における切除予定肝萎縮と温存予定肝の代償性肥大という現象に着目し、動物モデルの確立と経時的なサンプル採取・tyouseiを今年度の目標とした。実診療で最も施行される肝右葉内の門脈塞栓を想定し、雄性SDラットの全肝容積の70%を占める左内側葉と外側葉へ流入する門脈枝を結紮するモデルを作成、コントロールとして単開腹モデルも同時に作成し、その手技を安定化させた。小動物用CT装置にて経時的に撮影し、そのBoxel情報から得たDICOMデータをワークステーション上で肝容積計算を行った。また、各撮影時の血液生化学データを測定し、同時に塞栓肝と非塞栓肝の組織を採取し、未固定凍結組織、OCTコンパウンド包埋組織、ホルマリン固定パラフィン包埋組織として収集した。これらの組織から、レーザーマイクロダイゼクションにて肝細胞を特異的に採取してtotal RNAを抽出して間接標識法によるマイクロアレイを行った。また、タンパク質ペプチド消化物をLC-MSを用いたショットガン解析による網羅的プロテオーム解析を施行中である。また、外注によるメタボローム解析も同時並行中であり、来年度はこれらの体系的・網羅的な各データの抽出・統合を行い、生物学的結果を俯瞰した分子機構を探る予定である。
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