研究課題
本研究の目的は、世界に先駆けて樹立したイヌips細胞を自己組織再生型人工気管に応用し、気道を再建する術式を開発することである。既に自己組織再生型人工気管は頚部領域の気管再建に臨床応用されている。そこで本研究では臨床応用を視野に、呼吸器外科領域の縦隔内で使用出来るように、早期の組織化と内面の上皮がips細胞で可能かどうか評価する。イヌips細胞を用いた組織工学による再生研究は、これまでに例がなく極めて挑戦的な研究を行った。気道の自己組織を再生させて再建気管とするために従来はマーレックスメッシュを芯にステントを複合化したものを使っていた。これは臨床でも長期にわたって確実な力学強度が維持できるという利点がある反面、異物であるメッシュが残るというマイナスの面があった。そこでips細胞を用いる足場としてコラーゲンに生体内吸収性の高分子材料メッシュを複合化して素材を作製してそれを用いたビーグル犬における気道再建実験を行なった。これにより吸収性メッシュは半年できれいに吸収されるがステントが内腔に脱落することが判明した。ステント材と吸収性のメッシュの接着法を改善するか、又は非吸収性素材成分をメッシュに加えることにより、再生した気管壁とステント材が解離しないようにするなどの工夫が必要であるという問題点が明らかになった。なおコラーゲン成分に関しては本研究でも組織再生の足場として気道で十分に機能することが確認された点が成果として意義あるものと考えられた。
すべて 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
BBRC
巻: 417 ページ: 659-664
DOI:10.1016/j.bbrc.2011.11.111
Laryngoscope
巻: 122 ページ: 583-589
10.1002/lary.22389
J Thorac Cardiovasc Surg
巻: 142 ページ: 366-371
DOI:10.1016/j.jtcvs.2011.05.001
巻: 121 ページ: 1870-1875
DOI:10.1002/lary.21873
巻: 121 ページ: 1864-1869
DOI:10.1002/lary.22080
Ann Thorac Surg
巻: 91 ページ: 1747-1753
DOI:10.1016/j.athoracsur.2011.02.071
Clinical Engineering
巻: 22 ページ: 32-36
Gen Thorac Cardiovasc Surg
巻: 59 ページ: 91-97
10.1007/s11748-010-0677-9
巻: 121 ページ: 1404-1409
10.1002/lary.21759
Interact Cardiovasc Thorac Surg
巻: 13 ページ: 351-353
10.1510/icvts.2011.274357
http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/ca04/index.html