本年度は研究計画のとおりMRIレポーター遺伝子であるMagA遺伝子のクローニング、ならびに真核細胞での発現ベクターの構築を行った。 MagA遺伝子はPCR法によりクローニングされ、全長の遺伝子配列が野生型であることを確認した。次に、MagA遺伝子はneomycin selectionが可能である、CAGプロモーター発現ベクターへサブクローニングされた。同発現ベクターはIRESを介して目的遺伝子と薬剤選択遺伝子(neo)が結合されており、単一のmRNAでMagA発現とneomycin耐性遺伝子の発現が確保されるものである。同ベクターコンストラクトはラットC6グリオーマ細胞へtransientならびにstable transfectionされた。Transfection方法にはelectroporationならびにlypofection法を用いた。MagAの発現ならびに細胞内での磁性粒子の蓄積を細胞組織学的ならびにMRIにより測定、確認された。 またin vitroの実験系でMagA遺伝子により細胞塊をMRIのgradient echo法で十分検出可能であることも確認された。同検出はMagAを導入していない細胞では不可能であったため、MagAによる効果であると考えられた。
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