研究課題/領域番号 |
22659270
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金子 浩史 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60566975)
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研究分担者 |
鬼頭 浩史 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40291174)
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キーワード | SOX9 / 薬効スクリーニング / 軟骨細胞 / 軟骨再生 / オフラベル治療薬 / 細胞培養 / ルシフェラーゼ / プロモーター |
研究概要 |
SOX9遺伝子は軟骨分化におけるマスター遺伝子であり、軟骨基質の形質維持に極めて重要である。SOX9の発現を促進することにより、軟骨変性の防止あるいは変性軟骨の修復が期待できる。SOX9遺伝子のプロモーター領域をルシフェラーゼ・レポーターベクターに挿入し、これをヒト軟骨肉腫細胞株HCS2/8にトランスフェクションした。 この細胞株に1040種類のFDA認可薬薬剤を添加し、デュアル・ルシフェラーゼアッセイを行った結果、濃度依存性にルジフェラーゼ活性を上昇させる抗凝固剤Xを同定した。薬剤XをHCS2/8に添加して、SOX9およびSOX9の標的であるII型コラーゲンやアグリカンの発現をリアルタイムRT-PCR法にて評価した。しかし、いずれのmRNAにおいても濃度依存性の上昇を確認できなかった。 次に、軟骨細胞を単層培養することによって起こる脱分化を薬剤Xによって抑制し軟骨形質維持が可能か検討した。ヒト軟骨細胞株を入手し、これを単層培養した。各継代(P1~5)の軟骨細胞を、培養液中に薬剤Xを添加した群と添加しない群(コントロール)に分け、それぞれRNAを抽出してリアルタイムRT-PCR法にてSOX9、II型コラーゲン、アグリカンの発現をリアルタイムRT-PCRにて評価した。しかし、脱分化の抑制作用を示す有意な結果を得られなかった。 別のオフラベル薬剤を検討するため、新たに1200種類のスクリーニング用薬剤(Prestwick Chemical)を入手し、HCS2/8に対して同様に添加し、デュアル・ルシフェラーゼアッセイを行っている。ルシフェラーゼ活性を上昇させる薬剤がいくつか同定できており、実際にSOX9の発現を促進するかリアルタイムRT-PCR法にて検討している。
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