研究課題/領域番号 |
22659271
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60378198)
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研究分担者 |
平岩 秀樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70566976)
濱田 恭 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90566978)
山本 隆一郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80586743)
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キーワード | 変形性関節症 / 軟骨細胞 / microRNA / ADAMTS4 |
研究概要 |
【目的.】変形性関節症(OA)の病態形成におけるmicroRNA(miRNA)の関与について調査すること。 【方法.】Aggecanase-1(ADAMTS4)を標的とするmiRNAをコンピューター解析を用いて推測した。ヒトOA軟骨細胞と正常軟骨細胞をIL-1βで刺激し、各遺伝子発現をRT-PCRにて定量した。また当該miRNAが標的配列に相補的に結合することで標的遺伝子発現を抑制することを証明するために、luciferase assayやprecursor miRNA,antisensemiRNAを用いて調査した。ADAMTS4の蛋白発現をimmunoblottingにて、活性をAggrecanse-1 Assay Kitにて測定した。 【結果】コンピューター解析により、ADAMTS4 mRNAの3'末端配列の一部にmiRNA-125bの配列の一部が相補性をもつことが分かった。miR-125bの発現は正常軟骨細胞と比較してOA軟骨細胞で低下していた。OA軟骨細胞ではIL-1βによりADAMTS4は発現増加し、miR-125bは抑制された。miR-125bの過剰発現はADAMTS4 mRNAの3'-UTR末端配列を含むrepor terconstructの活性を増加させ、OA軟骨細胞におけるIL-1βによるADAMTS4の蛋白産生と活性の増加を阻害した。 【まとめ】miR-125bは正常とOA両方の軟骨細胞で発現し、その発現は正常と比較してOA軟骨細胞で低かった。さらに、OA軟骨細胞におけるIL-1β刺激によるADAMTS4の活性化はmiR-125bの過剰発現により抑制され、抑制することで活性が上昇した。以上より、miR-125bはヒト軟骨細胞においてADAMTS4の発現調節に関与していると考えた。
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