研究課題/領域番号 |
22659273
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
越智 光夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70177244)
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研究分担者 |
下瀬 省二 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30304439)
亀井 直輔 広島大学, 病院, 病院助教 (70444685)
中佐 智幸 広島大学, 病院, 病院助教 (60467769)
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キーワード | 変形性関節症 / microRNA / 軟骨 / 滑膜 / biomarker |
研究概要 |
目的non-codingRNAであるmicroRNAが新しい遺伝子カテゴリーとして注目されており、変形性関節症(OA)においてもその重要性が報告されている。OA患者の血液、尿中のmicroRNA(miRNA)を解析し、早期診断のための新たなbiomarkerとなるか検討し、さらに、軟骨変性に関与するmiRNAを同定し、OAモデル動物に関節内投与し、治療効果を検討することを目的とした。 方法OA患者19名から血液を採取し、血清を分離してRNAを抽出した。また、6名の健常者からも血液を採取し、血清からRNAを抽出した。Real timePCRを行い、microRNAの発現量を解析した。また、健常者、OA患者から尿を採取し、RNAを抽出してmicroRNAマイクロアレイを行った。また、骨髄間葉系幹細胞から分泌され、microvesicleに包まれているmicroRNAをOAモデルラットに関節注射し、その治療効果を検討した。 結果 血清由来のRNAにおいて、これまで、OA患者の末梢血単核球に高発現しているmicroRNA-146、223についてPCRを行ったところ、OA患者で発現量が低い傾向にあったが、統計学的有意差は認めなかった。尿では、健常者と比較してOAで高発現するmicroRNAを認めた。OAモデルラットへの分泌型microRNAの関節注射では、切片を作製したところ、対照群と比較し、明らかな差は認めなかった。 考察 血清・尿におけるmicroRNAは、RNA抽出法等にまだ課題があり、今後精度を高めていく必要がある。尿におけりマイクロアレイの結果からは、OA患者で特異的に発現変動するものを認めており、サンプル数を増やすことで、新たなマーカーとなる可能性がある。
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