研究課題/領域番号 |
22659295
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
峯岸 敬 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209842)
|
キーワード | LH receptor / LH-R mRNA / down regulation / microRNA / 子宮 |
研究概要 |
LH receptor(LH-R)は卵巣に発現し、LHに対応して卵巣の排卵時のシグナル伝達において重要な働きをしている。一方、子宮に発現しているという報告もされているため、今回我々は、子宮にLH-Rが発現しているかを検討し、また、その発現部位の確認と発現の制御を解明することを目的とした。 ラットにhCGを投与し、子宮を経時的に採取し、LH-R mRNAの発現を検討した。その結果、hCG投与では、hCG投与後24、48時間では20%程に減少し、72時間でcontrolレベルに戻り、96時間では、2.5倍程に増加した。これらのことより、hCGがinvivoで子宮のLH-R mRNAのDown regulationを起こすことが分かった。さらに、免疫組織学的検討では、子宮の内膜が強く染色されることから、LH-Rは子宮の内膜に発現し、HH/hCGによる直接の作用を受けて、cAMP産生を誘導することが示された。 LH-R mRNAは卵巣においてサイトカインにより制御されることが示されているので、子宮におけるLH/hCG mRNAの制御にサイトカインが関与するかを検討する。このため、ヒトの内膜にLH/hCGレセプターが存在しているかを知る目的で、免疫組織染色を行った。結果は、ラット子宮と同様にヒト子宮内膜にも上皮細胞で染色が強く観察された。またこの発現は、ヒトにおいてもLH-R mRNAの発現がLHサージ後の一定期間後に上昇する可能性があり、女性性周期における発現の変化を知る必要がある。この点では、ヒトLH-R蛋白の発現を症例数は少ないが月経周期で分類して、子宮内膜での蛋白発現を検討すると増殖期より分泌期に上昇する傾向であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット子宮にLH-Rの蛋白とmRNAの発現を観察確認することができ、論文を投稿することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
ヒト子宮にLH-Rが発現して機能するかを検討する。しかし、このためには適切なinvitroの系が必要であり、ヒト子宮内膜培養系の本研究室での確立が必須である。この系の確立に時間と手技修得が必要である。
|