研究概要 |
1.TDPCR法の改良-対象遺伝子の拡大 子宮内膜癌において遺伝子変異の最も高頻度な遺伝子はPTENであるが、文献検討を行い、子宮内膜癌において報告のある286例の遺伝子変異のうち、exon5/codon130,exon6/codon233,exon7/codon267,およびexon8/codon317-323に遺伝子変異のhot spotがあることが判明したため、その部位を含む遺伝子領域に対してTDPCRのプライマーを設計した。子宮内膜癌の発がんにはエストロゲンまたはエストロゲン類似物質の関与が指摘されているため、子宮内膜癌細胞(PTEN wild type)および不死化内膜に対し、エストロゲンおよびカテコールエストロゲンを添加し、TDPCR法にてDNA損傷の有無につき検討を行った。その結果、PTEN exon5、exon6においてニストロゲン(0.1μM)投与にてDNA損傷は検出できなかったが、カテコールエストロゲン添加では1nMにてもDNA損傷が検出された。 2.multiplex PCR法の応用 TDPCR法に複数の蛍光プライマーを導入し、複数個所のDNA損傷の検出が可能か検討を行っている。複数色のピークを同時検出が可能であることを確認したが、単独のプライマー使用した結果との再現性が乏しく、今後更に条件設定を検討する必要がある。
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