研究課題
当施設の倫理委員会で承認を受け、患者家族の同意を得た後に、手術において得られたヒト小児患者由来の細胞を用いて、iPS細胞を作成した、由来細胞は、脈絡膜および網膜を用い、通常の平面培養を行った後に、1×10^5cellsに山中4因子(OCT3/4SOX2,KLF4,c-MYC)を導入したレトロウィルスを感染させた。樹立効率は、脈絡膜由来細胞では0.01%以下であったが、網膜由来細胞では0.13であり、他の胎児線維芽細胞(0.03)、子宮内膜細胞(0.03)、指皮膚細胞(0.05)と比べて高かった。網羅的DNAメチル化解析から網膜特異的DNAメチル化可変領域(Ret-DMRs)を同定した。Ret-DMRsは新たな網膜細胞マーカーとしても有用であることが明らかになった。また、網膜細胞由来のiPS細胞はDNAメチル化プロファイルにおいて、他の胎児線維芽細胞、子宮内膜細胞、皮膚細胞、軟骨細胞等由来のiPS細胞と比べて、ES細胞のような幹細胞に近い性質を持っていた。網膜細胞は、iPS細胞へ効率よく誘導できることが示された。今後は、さまざまな形態形成遺伝子を導入あるいは自己発現させて、網膜細胞の再生研究を行う予定である。
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