本研究では申請者らがこれまで腸管粘膜に対して再生促進作用を証明してきた神経ペプチドであるボンベシン(BBS)を先天性横隔膜ヘルニア(CDH)妊娠ラットに投与することにより、胎仔ラット肺の成熟度を検証することを目的とした。CDHラットは妊娠ラットにnitrofenを経口投与させることにより作成する。平成22年度においてはadult Sprague-Dawley(SD)ラットを交配させterm22.5日に対し妊娠9.5日目にニトロフェン100mgを経鼻胃管より投与しCDHラットモデルを作成し、ボンベシンの投与により胎仔肺の成熟度に有意差が出るかを検討することを予定していた。妊娠9.5日目にニトロフェンを投与し、妊娠21.5日目にcesarean sectionしたがCDHを呈していたラット数が安定しなかった。したがって、ボンベシン投与・非投与群にグループ化して比較検討するまでには至らなかった。しかし胎仔肺の重量については、有意差までは出ていないもののボンベシン投与群が非投与群の胎仔肺よりも重かった。平成23年度はまずCDHラット作成を安定化させ、数を増やし形態学的評価及び生化学的検討をできるようにしたい。
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