研究課題/領域番号 |
22659319
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
館 正弘 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50312004)
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研究分担者 |
小玉 哲也 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271986)
今井 啓道 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80323012)
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キーワード | レッグレイングハウゼン病 / NFI遺伝子 / ナノバブル / 遺伝子導入 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
von Recklinghausen's diseaseは、17番染色体にあるNF-1遺伝子の異常により発症することが明らかになっており、当初はNF-1遺伝子のクローニングと、遺伝子導入による治療法の開発を目標としていたが、その後の調査により、NF-1遺伝子をベクターに組み込むことは困難であることが明らかとなった。そこで方針を変更し、von Recklinghausen's diseaseに合併する悪性腫瘍である、malignant peripheral nerve sheath tumor (MPNST)に対する遺伝子治療法の開発を目指すことにした。 MPNSTは肉腫の5~10%を占め、そのうちの約半数がvon Recklinghausen's diseaseに合併しているとされている。その多くは体表面近傍に発症し、現在の唯一の治療法である広範切除では整容的な問題を生じることがある。われわれが開発したnano/micro bubbleと超音波による遺伝子導入の手法は、ウィルスベクターを使うことなく、体表面に近い局所に限定した範囲して、高効率で遺伝子を導入することが可能であり、整容的な問題を生じない新しい治療法となる可能性がある。 まず、von Recklinghausen's diseaseに対する有効性を示唆されているIFNα、IFNγのMPNSTへの有効性を検証するためvitro実験を行った。MPNST由来の2種類の細胞株を24well plateに培養し、翌日IFNα、IFNγ遺伝子をそれぞれ導入した。遺伝子導入後1・3・5日における細胞数を定量したところ、非導入群に対して有意な細胞数減少を認めた。 今後は培養細胞をマウスに接種して作製した腫瘍に対する遺伝子導入効果の検証を行う方針である。
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